駅伝でも話題 「カーボン入り」シューズに今年は挑戦運動不足解消にお薦めの一足(後編)

アディダス「adizero Pro」(2万2000円・税別、以下同)

1月は気持ちも新たに、カラダづくりに取り組むいいタイミング。密を避け、手軽に始められるランニングは運動不足解消にもってこい。本格的に取り組むなら、駅伝やフルマラソンで活躍する多くのアスリートが使用し、大きな話題を呼んでいるカーボンプレート搭載シューズに注目したい。弾むような履き心地は、ランニングの新たな魅力に気付かせてくれるだろう。

フィット感を高めて軽い履き心地を実現

2020年の登場以来、スピードアップを狙う多くのシリアスランナーから支持されているのが、ソールにカーボンプレートを搭載したアディダスのハイスピードレーシングモデル「adizero Pro」。反発力の高い「CARBITEXカーボンプレート」により、着地時の安定感が増すとともに、蹴り出し時は少ない力で大きな推進力が生まれるという。

さらに、高いクッション性と反発性を両立したアディダス独自のミッドソール・テクノロジー「BOOST(ブースト)フォーム」と「LIGHTSTRIKE(ライトストライク)」を搭載する。着地の衝撃を和らげると同時に、足首の自然な屈曲と適切なポジションが得られるようにデザインされている。

アッパー(靴の甲の部分)はアディダス史上最軽量の一枚はぎのメッシュアッパーを採用。その内側にフィットシステムを搭載しており、足への負担を軽減して、しっかりと固定する。フィット感に優れるだけでなく、235グラム(片足27センチメートル)と軽いため、足と一体化したような履き心地で快適なランニングを楽しめる。

同社の「アディゼロ」シリーズは、最高のフィット感をランナーに提供することを目的に、約4年の歳月をかけて開発されたもの。2008年の登場以来、プロのマラソン選手も使用するアディダスの最高峰モデルとして知られ、アディゼロ着用の選手たちは数々の受賞歴や結果を誇る。

0.01ミリメートル単位までこだわって削り出したラスト(靴型)の「microfit(マイクロフィット)」により、抜群のフィット感を実現した。フィット感が高いと履き心地が軽くなり、ストレスなく脚を前に出せるのだ。疲労がたまるランニング後半にも、このフィット感と軽さが効いてくるだろう。

ソール内部にカーボンプレートを搭載した中厚底のランニングシューズ

自己ベストを狙うためのレーシングモデル

ニューバランス「FuelCell RC ELITE」(2万6000円)

速く走るために、シューズに必要な機能の一つに反発弾性がある。ニューバランスによると、反発弾性が高いことで、着地時の足の接地時間を短縮し、すぐに次の一歩につなげられるという。弾むように走る姿をイメージするとわかりやすいが、反発弾性が高ければそれだけスピードがアップする。

そんな反発弾性を強化したニューバランスの注目モデルが、同社で最も高い反発弾性を備えた独自のミッドソール素材を搭載する「FuelCell(フューエルセル)」シリーズだ。

2020年10月に発売された、FuelCellシリーズの最新モデル「FuelCell RC ELITE」は、ミッドソール素材「FuelCellフォーム」に高反発のカーボンファイバープレートを組み合わせたレーシングモデル。シリーズの特徴である弾む走り心地に、フルマラソンでのレース本番にふさわしい軽さと、地面をつかみ、走りを加速するグリップ性、スムーズな着地を実現している。

TeamNBの神野大地選手(セルソース所属)が日本代表として出場した、19年のアジアマラソン選手権で優勝した際に着用していたモデルとしても人気が高い。神野選手は「厚底でありながら、ものすごく軽く、ニューバランスのよさであるフィット感がちゃんとあるシューズです。マラソンで自己ベストを狙うためには最高のシューズだと思っています」とのコメントを寄せている。

反発弾性に優れたソールユニットのほか、ぬれた路面でも滑りにくいアウトソール「DYNARIDE(ダイナライド)」、足にフィットしてストレスを低減するメッシュアッパーなど、トップアスリートがシリアスなレースで着用することを想定して設計されている。

FuelCell RC ELITEの構造。中央の濃いグレーのパーツがカーボンファイバープレート
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レースとトレーニングの両方に最適な一足