2020/12/23

もう一つ忘れてはならないのは、お金のリテラシーです。定年まで企業で働き続け、老後は退職金や年金で生活するという、自動的に生涯の財務問題が解決されていた時代は終わりました。一方で、人生100年時代。生きていくためには、自身でお金のリテラシーを高め財務問題を対処していく必要があります。生き方や働き方をデザインする基礎力として、お金のリテラシーは不可欠です。

――就職のことを考える学生へのメッセージをお願いします。

これから就職活動を迎えるみなさんは、「自分の知っていることは、限られたことなんだ」と割り切っておくようにしましょう。大学生の時に出会う企業が、あなたの人生を決めるわけではないのです。万が一、自分にあわないなと感じたなら働きながら、軌道修正し、キャリア形成していけばいいのです。その手段として複業があっていいかもしれません。複業しなきゃと、と気負う必要もありません。それだけ働く上での選択肢が増えているのだから、1つの仕事や組織に縛られず柔軟に考えていいんだ、というぐらいに考えてください。

また、「自分らしさ」が分からなくても心配ありません。そもそも、自分とは何かは、何歳になっても分からないのではないでしょうか。ただし、「できない」とか「関係ない」と判断する「認識」は壊していくようにしましょう。自分の殻を壊すと、その先に楽しい世界が見えてくるものです。

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「専業禁止」というのは、新しいことにどんどん挑戦してみようという社員のキャリア開発を支援する応援メッセージであることがわかりますね。インタビューを通じて「人はいつからでもチャレンジできる」ということも伝わってきます。そのためにも、私たちは常に自ら考え、行動し、キャリア自律型の働き方と生き方をデザインしていくことが大切なのです。

加藤健太さん
リクルートを経て、オールアバウトの創業メンバーとして財務、総務、人事、広報、営業企画など裏方周りのあらゆることを担当し、取締役兼最高財務責任者(CFO)として2005年に新規株式公開(IPO)。その後、現在のエンファクトリーを分社し、同社代表取締役に就任。「専業禁止」という人材ポリシーを打ち出して、関わる人々すべての「生きるを、デザイン」を応援中。
田中研之輔さん
1976年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程を経て、メルボルン大学、カリフォルニア大学バークレー校で客員研究員をつとめる。日本学術振興会特別研究員(SPD:東京大学) 2008年に帰国し、法政大学キャリアデザイン学部教授。大学と企業をつなぐ連携プロジェクトを数多く手がける。企業の取締役、社外顧問を19社歴任。著書25冊。『プロティアン―70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術』(日経BP社)など。最新作『ビジトレ―ミドルシニアのキャリア開発』(金子書房)
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