東京駅近はチョコ専門店サークル地帯 男性もとろける

季節限定のチョコレートパフェに男性ファンも熱狂「ショコラティエ パレ ド オール東京」
季節限定のチョコレートパフェに男性ファンも熱狂「ショコラティエ パレ ド オール東京」

宝石のような見た目に濃厚でまろやかな口溶け……。チョコレートは食べた人に「幸せ感」を呼び起こす、独特の力がある。そのチョコレートの専門店が東京駅周辺に集積していることをご存じだろうか。今回はこのエリアで人気の3店を紹介する。定番の粒チョコレートはもちろん、チョコのアレンジメニューを販売したり、酒も飲めるカフェを併設したりと、それぞれ特色がある。

チョコレートが整然と並ぶ店にビジネスマンは足を踏み入れづらいかもしれないが、3店とも中高年男性にも広く門戸が開かれ、男性ファンも多く通うそうなのでご安心を。

1店目は東京駅目の前の新丸ビル1階にある「ショコラティエ パレ ド オール 東京」。「チョコレート界の発明家」とも呼ばれるオーナーシェフで業界の重鎮、三枝俊介さんが手がけるチョコレートはマニアの間でも評判だ。2007年の新丸ビル開業時にオープン。持ち帰り用の粒チョコレートを販売するとともに、店内にはカフェもあり、常時にぎわっている。

チョコレート業界で次々新しい挑戦を続けるオーナーシェフの三枝俊介さん

三枝さんは現在では当たり前の、チョコと酒を一緒に楽しむマリアージュを発案したことでも知られている。カフェでは粒チョコそのものやチョコレートケーキとコーヒー・紅茶類とのセットのほか、「シャンパーニュセット」(シャンパーニュとショコラ3粒、2350円・税別)や「モルトセット」(モルトウイスキーとショコラ3粒、2200円・税別)を提供。「ホテルのバーで1杯飲むのと同じ値段で、高級チョコレートも付いてくる」と男性客にも好評だそうだ。

さらに名物はチョコレートパフェである。年間5~6回、季節限定の新作メニューを発表し、年内まではクリスマスツリーをテーマにした「パフェ パレドオール ノエル」(2250円、税別)を販売中。高さ約30センチ、チョコ人形にアメ細工、チョコクリーム、ビターチョコシャーベットにピスタチオアイス、メレンゲやシュー菓子にシャンパンゼリーなどが重ね合わさった大作だ。豪華さと繊細な美しさに、年がいもなく黄色い声が出てしまう。

実は、筆者はあまり甘党でない。久しぶりのボリュームスイーツにこわごわ食べ始めると……あら不思議。パリパリのアメやチョコ、舌の上でひんやりとろけるアイスにメレンゲやシュー生地のサクサク感と、スプーンを入れるたびに新しい食感が次々登場し、飽きない。甘味も絶妙だ。これはどハマりするファンが絶えないだろう。夏はココナツやレモン、秋は栗きんとんや抹茶を使ったパフェを販売。毎シーズン、新作が出るやいなや駆けつける中高年男性もいるとのこと。

「獺祭」や被災した宮城の酒造とコラボした「利き酒ショコラ」

このほか「獺祭(だっさい)ショコラ」や、被災した宮城県の酒造とコラボした「利き酒ショコラ」など、チョコレート業界の新機軸を打ち出している三枝さんだが、難易度の高い「Bean to Bar(カカオ豆からチョコレートを自店で作る)」にも2014年から取り組んでいる。

「国内にチョコレート店は無数にあり、大手メーカーの製品も浸透していますが、決まったカカオ豆で作られる既製のチョコレートを仕入れ、菓子に加工したものなので味が均一的です。しかしコーヒー豆やワインのブドウに品種や個性があるのと同じく、カカオ豆にも様々な種類があり、繊細な味の違いがあります。職人として残りの人生を賭けてこれを極め、広く伝えたいです」(三枝さん)