変化する景色 人の心を演出
急峻(きゅうしゅん)な土地が多い日本には、各地の寺社にも趣のある石段が多くある。上がるたびに景色が変わる階段には人の心を演出する効果があると言われる。今回選ばれた石段はいずれも自然と調和した個性派で、ベスト10のうち4つは千段を超える。石段は踏みしめるごとに厳かな気分にもなる。
寺社だけでなく、大きな石段そのものが景観のシンボルになっているスポットは各地にある。例えば、京都市の伏見桃山陵(明治天皇陵=写真)のような石段が周囲の自然と溶け込む場所は少なくない。
今年は新型コロナの影響でイベントを縮小する寺社も多い。東京・愛宕神社の半田りえ子さんは「万全の感染対策をして年末年始も安全に参拝客をお迎えしたい」と話す。晴れやかな気持ちで参拝するためにも、今は「我慢」の時だ。
■ランキングの見方 寺社名(所在地)。数字は専門家の評価を点数化。(1)写真の石段の名前(2)情報サイト。写真は1位石橋睦美氏、7位と伏見桃山陵は鵜飼秀徳氏、9位三浦秀行撮影。2位金刀比羅宮、3位長谷寺、4位山寺観光協会、5位室生寺、6位鵜戸神宮、8位熊本県美里町林務観光課、10位大分県国東市観光課の提供。
■調査の方法 特徴的な石段がある全国の寺社から専門家の協力で28をリスト化。存在感、景観との調和の観点から10人の専門家が1~10位を選び、編集部で集計した。
■今週の専門家 ▽石橋睦美(フリーカメラマン)▽鵜飼秀徳(宗教ジャーナリスト、浄土宗僧侶)▽加藤誠治(昭文社旅行書編集部マネージャー)▽小塩稲之(日本観光文化協会会長)▽富本一幸(トラベルニュース編集長)▽Mr.tsubaking(旅行ライター、ドラマー)▽三ツ橋典子(いこーよ)▽宮澤やすみ(神仏研究家、音楽家)▽山内絵梨(日本旅行総研研究員)▽山田祐子(ツーリズムワイズラボ代表)=敬称略、五十音順
(生活情報部 大久保潤)
[NIKKEIプラス1 2020年12月12日付]