「えび三貫盛り」(680円)。左から、「白えび軍艦」「甘えび」「赤えび」

メニューを見る。すしは基本2貫で、「いか」や「漬けまぐろ」あたりのスタンダード品が130円(税別、以下同)。「あじ」「いわし」「炙りえんがわ」あたりが250円だ。回転ずしには負けるが、グルメ系回転ずしのチェーンと遜色ないお得な価格だ。

ただ、せっかく来たなら、コロナ禍のストレスを解き放てるようにちょっとした「ご褒美」を自分にあげたい。するとあった。季節メニューだ。「秋の7貫盛り」(1200円)などあったが、いろいろ食べてみたいから、まずは「えび3貫盛り」(680円)を選ぶ。「赤えび」と「白えび軍艦」「甘えび」の盛り合わせだ。

一貫320円の「うに」と「大とろ」。左2貫は「赤貝」(320円)。これもうまい

いつものクセで、ひと口目は、しょうゆをつけずに食べる。「赤えび」は、プリプリで、「甘えび」はネットリ。「白えび軍艦」もよい。これを1貫230円弱で食べられるのは、素晴らしいと思う。最近、100円均一の回転ずしも、1巻だけのぜいたく皿を投入しているが、価格はほとんど変わらず、こっちの方がクオリティーが高い印象だ。ちなみに「白えび軍艦」と「赤えび」は1貫からの単品注文もできる。

これでスイッチが入る。すでに瓶ビール(中瓶、680円)は空になり、次のネタを物色する。気づいてしまったのがメニューの一角にある「一貫」の文字。ネタは、「大とろ」「うに」など高級ネタが並んでいるのだが、「大とろ」と「うに」が1貫320円、「中とろ」や「特大赤えび」は250円だ。迷わず「大とろ」と「うに」を頼む。注文は口頭でも可能だが、店内には欲しいネタと個数を書き込む注文票もあり、そちらを使った方が確実だ。

ねっとりした「大とろ」

「大とろ」も「うに」も期待を裏切らないものだった。この頃になると、飲み物はすでに日本酒に変わっている。この店、ビール類は少し高めなのだが、サワーやチューハイは300円台が中心だし、日本酒もグラス売りで300円台から。ビールを飲まず、最初からそっちで攻める手もある。ただ、日本酒のグラスは少し小さめだが。

もう一つ「立ち寿司横丁」が良いのは、刺し身が充実しているところ。14種あるのだが、基本はすしネタのシャリ抜きを3人前分、盛ってくれるという仕組みだ。例えば、「いわし刺し」(750円)は、2貫入った握りの「いわし」(250円)を3皿分、6切れをシャリ抜きで提供する。普通のすし店でツマミを頼むと、ほぼおまかせで、すしを頼むより、極端に高かったりするが、ここはその心配がない。これは回転ずしでは味わえない楽しさだ。