「おうちサルベージ」の勧め

食べられる食品を捨てないために、家庭でできることもたくさんあります。本書は「食品ロスの減らし方」を指南しています。その中のいくつかを紹介しましょう。

おうちサルベージ

サルベージとはもともと難破船や沈没船を引き上げることです。「おうちサルベージ」の日は、わざわざ食材を買いに行くのをやめましょう。冷蔵庫や食品棚の中を総点検して、忘れられている缶詰や乾物、冷蔵・冷凍品を救出して、その材料で何が作れるかを考えて料理します。この取り組みにはいくつもメリットがあります。

・今ある食材同士をどう組み合わせればよいかという頭の体操になる
・食べ物を無駄に捨てていた人なら食費が減って貯蓄が増える
・冷蔵庫にスペースが生まれて食材の管理がしやすくなり、掃除がしやすくなる
・鮮度の良いものを食べて健康になる
・ごみが減る
・食材を捨てる罪悪感が消えて自信が生まれる

食品を寝かせる

食品は新しいものほどよい、という思い込みを捨てましょう。缶詰には3年という賞味期限が設定されてるものがほとんどですが、これは食品の品質が3年を超えると悪くなるからではなく、缶の品質保持期限が3年だからです。東京農業大学の元教授、徳江千代子氏の実験では、シロップ漬けや味の濃いものは15年間品質が保たれたそうです。品質劣化の一因は酸素に触れることなので、真空調理の缶詰は品質が長く保持されるのです。ツナ缶のように、製造直後より「賞味期限」が切れる頃の方が熟成しておいしい食品もあります。保存していた缶詰の期限が切れていたとしてもすぐには捨てないで、開けてにおいや味を確認しましょう。

野菜は適量を買ってうまく保存

家庭で捨てている食材は、1位=キュウリ、2位=豆腐、3位=キャベツ、4位=レタス、5位=納豆――。食品メーカーによるこんな調査結果があります。キュウリは必要なだけ買う方が良い食材です。保存するなら、ペーパータオルで1本ずつ包み、ポリ袋にいれて、ヘタを上に立てて冷蔵庫に入れます。キャベツは芯が決め手です。そこに成長点があります。芯の切り口を切って、小麦粉を塗ったり、芯のところにつまようじや竹ぐしを3、4本刺しておくと良いでしょう。

本書には、ほかにも「キャベツの芯やタマネギの皮を食材として活用する」「バナナはあえて茶色い斑点のあるものを選ぶ」「調味料を上手に使い切るコツ」など暮らしの知恵が満載です。読者の皆さんも、「あるもの」に意識を向けることで、自分ならではの食材の扱い方を考えてみてはいかがでしょうか。

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廃棄物の発生抑えるReduceを最優先に