999円、耳が蒸れない… 在宅で活躍ヘッドセット5選
コロナ禍の中、ビジネスの現場では、直接顔を合わせないビデオ会議が当たり前になっている。映像で遠隔地にいる家族と話をしたり、友人とオンライン飲み会を楽しんだりする人も増えた。そんなときに重宝するのが高音質で音声をやり取りできるヘッドセットなどの音響機器だ。用途に応じた機器をまとめた。
パソコンに搭載されているマイクとスピーカーでビデオ会議をしている人も多いだろう。また、スマートフォンに付属するマイク付きイヤホンも会議に使える場合が多い。
しかし、それらは必要最小限の性能のものが多く、音質はいまひとつ物足りない。相手の声が聞き取りにくかったり、自分が話す内容をうまく拾わなかったりすることもある。
そのためビデオ会議が本格化すると、ヘッドホンに通話用マイクが付いた「ヘッドセット」と呼ばれる機器が品薄になるほど人気を集めた。
ヘッドセットは価格帯の幅が広い。相手の声を聞き逃さず、自分の声が確実に届くようにするには、音質にこだわった高性能なものがいい。音響機器メーカーとして知られるオーディオテクニカの「ATH-770XCOM」は、音楽のプロが使う製品の技術が投入された高音質な製品だ。パソコンの音声入出力端子に接続して使用する。実勢価格は1万2000円前後だ。
その一方で、あまり費用をかけたくないという人向きの非常に安価な製品もある。サードウェーブ(東京・千代田)が運営する上海問屋の「DN-915974」は相手の声を聞きとりやすくするために、あえてモノラル音声仕様にしたヘッドセットだ。パソコンとはUSBで接続して使用する。直販価格は999円(税別)と格安だ。
ヘッドセットは長時間使っていると耳が蒸れたり、痛くなったりすることもある。頭の上に載せて使うため、髪形が乱れるのが嫌な人もいる。そうした人に向いているのがシャープの「AQUOSサウンドパートナーAN-SS2」だ。
これは首にかけて使う小型スピーカーで耳をふさがず、髪形も乱れない。パソコンなどとブルートゥースでワイヤレス接続する。付属の送信機をテレビに接続すれば音声を離れた場所で聞くこともできるので、料理など家事をしながらドラマなどの音声を耳元で聴くといった使い方もできる。重さ88グラムと軽く、生活防水対応。実勢価格は1万7000円前後。
肩にも何も載せたくない人向けには、ケーブル類が一切ない完全ワイヤレスのイヤホンタイプが向いている。小型軽量で体にまとわりつく配線がないので軽快に装着できる。各社から発売されているが、高性能マイクを備え通話性能を重視した製品がビデオ会議に向くだろう。
グーグルの「Pixel Buds」はイヤホンが片側5.3グラムと軽く、本体に小さな穴があって外部から空気が入る構造になっているため長時間使っても耳が蒸れにくい。一定方向に受信指向性を高めたビームフォーミングマイク機能などで、周囲が騒々しくても音声を明瞭に拾える。機器とはブルートゥースでワイヤレス接続する。実勢価格は2万1000円前後。
何も身に着けずに通話したい、あるいは周囲の人たちで一緒に使いたい場合は、ビデオ会議用のスピーカーフォンが向く。マイクを内蔵した外付けスピーカーで、会議だけでなく、家族みんなで遠隔地にいる親戚と話をするといった使い方もできる。
アンカー・ジャパンの「PowerConf S3」は、6つのマイクで周囲360度の音を拾う仕組みを持つ。残響や騒音を抑える機能で明瞭な通話ができる。小型軽量でバッテリー駆動もできるので、持ち歩いて外出先で使うことも可能だ。パソコンとはブルートゥース接続か、USB接続で使う。実勢価格は1万4000円前後になる。
(ライター 日経PC21湯浅 英夫)
[2020年11月28日付 日本経済新聞夕刊]
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