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「二日酔い食堂」の「鮭塩焼き茶漬け」(税込み1430円)。だし汁や具材、ごはんは別容器で配達される

ゴーストレストラン研究所が2019年2月に開店した「Ghost Kitchens」は、これまたユニークなゴーストレストランだ。このゴーストレストランのキッチンでは15店がそれぞれの料理を作っているが、客には「Ghost Kitchens」という店名は見えない。Uber Eatsのリストには15店がそれぞれ独立した店舗として掲載しているだけだ。

当初は東京・中目黒のキッチンスペースを間借りしてスタートしたのだが、2020年6月に東京・西麻布へ移転リニューアルした。移転時に、それまで要望の多かったテークアウトカウンターを設けており、客がUber Eatsへ注文した後に、店舗に出向きピックアップすることもできる。

西麻布の「Ghost Kitchens」。店舗で商品を受け取ることもできる

15店の中の一番人気はスープ専門店「すーぷのあるせいかつ」。スープだけで1食分の満足感を得られるようにボリュームにこだわって商品化したもの。コンビニなどでも人気のスープだが、ヘルシーすぎて物足りないという声も聞き、考案したそうだ。

2020年10月にオープンした「二日酔い食堂」は、二日酔いの日でも食べられるお茶漬け専門店。社長の吉見悠紀さん自身がお酒好きで、「二日酔いの日にこんなデリバリーがあればうれしい」と思ったことがオープンのきっかけになった。栄養豊富なシジミでとっただしはうま味がたっぷり。レモンや梅干しが添えられ、さっぱりした味わいなので、二日酔いの日でもすっきり食べられる。土曜の昼の注文が最も多いという。

「すーぷのあるせいかつ」の「お肉とゴロッと野菜の美味しいスープ」(税込み1380円)

ほかにも、ビーガンタコス料理店「ヴィーガンジャンクショップ!!」、フルーツ専門店「ふるーつ宅配便」など、ゴーストレストランだからこそできる珍しいジャンルの店が目立つ。

「こういうものがあったらうれしい」という小さな声や食のマイノリティーとなる人のニーズを埋めることを目指しているそうで、今後もゴーストレストランのブランドを増やしていく予定とのこと。

「食産業のDX(デジタルトランスフォーメーション)や自動運転の実用化などのテクノロジーの進化によって、人を動かす時代からモノを動かす時代へシフトしつつある食分野において、日々の食事の中でデリバリーという行為がもっと当たり前に、食べるという行為の一部になっていくと思います。ゴーストレストランは、まさにそうした時代にふさわしい業態だと思います」と吉見さん。 

従来のリアル店舗とは違い、珍しい料理でも手軽に自宅で楽しめるゴーストレストランの利用は広がっている。ただ、賃貸マンションの一室で調理する、飲食店営業許可証を持たない自称ゴーストレストランもあると聞く。じっくり見極めて賢く利用していきたい。

※価格はサービス料および配送手数料別

(フードライター 古滝直実)


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