ツイッターを活用、書くことで育てる

「文章が書けない原因は『スキル』ではありません」「一番大きいのは『メンタル』です」ともいう。「読まれなくてしんどい」の原因はまさにそこで、みんな「読んでもらえる」と思いすぎだと諭す。イジワルな編集者を自分の中に飼って、まわりが読みたいことと自分が書きたいことが重なり合うところを探せ――要はマーケティングしようと呼びかける。最終的には、とにかく「実際書いて読んでもらう」を繰り返すことでしか、書けるようにはならない。そのためには「ツイッターの活用を」といい、「ちょっとした発想を『メモ→ツイート→ブログ』と出世魚のように育てていく方法」を提案する。

「8月の刊行にもかかわらず、ベストテン圏内を入ったり出たりしながら、売れ続けている」と同書店でビジネス書を担当する本田翔也さんは話す。店頭に並んでいた本はすでに4刷となっていた。文章論、文章読本は数々あるが、今日的な「書くこと」で活躍できる場所や機会をしっかり見つめる切り口が共感を呼んでいるようだ。

自分を知る本、息の長い売れ筋に

それでは先週のベスト5を見ていこう。

(1)世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方八木仁平著(KADOKAWA)
(2)書くのがしんどい竹村俊助著(PHP研究所)
(3)12のタイプから人の強みが一瞬でわかる「魔法のスイッチ」 マツダミヒロ著(きずな出版)
(4)独学大全読書猿著(ダイヤモンド社)
(5)超クリエイティブ三浦崇宏著(文芸春秋)

(青山ブックセンター本店、2020年11月16~22日)

1位は「やりたいこと探し専門プログラム」を開発した著者による自己理解の教科書。5月刊の自己啓発書で、息の長い売れ筋になっている。2位が今回紹介した「書くこと」をめぐる本。3位の本は、自分を知り相手を知るメソッドをわかりやすく解説する。4位は10月に同書店を訪れたときに「学びをあきらめない人へ 独学の探求者が技法を集大成」の記事で紹介した大冊。5位には、人気のクリエイティブディレクターが本質を発見する思考術とその身に付け方を説いた本が入った。

(水柿武志)