所得控除で確実に税金取り戻す コロナ禍の家計防衛術いまさら聞けない大人のマネーレッスン

2020/12/3
支出を検証し、控除や公的支援も申請することでコロナ禍の家計を守る(写真はイメージ=PIXTA)
支出を検証し、控除や公的支援も申請することでコロナ禍の家計を守る(写真はイメージ=PIXTA)

今年も残るところあとわずか。新型コロナウイルスの収束の見通しはまだ立っておらず、経済的な不安を感じている人も少なくないでしょう。

こうした状況であっても、収支の確認や分析は大切です。具体的に家計の状況をイメージすることができ、「なんとなく不安……」といったストレスは減るかもしれません。

年末は、1年を振り返る、あるいは将来のことを考えるよい機会です。本稿をきっかけにして、今年の収支を振り返ってみてはいかがでしょうか。収支の確認方法と併せて、支払う税金や保険料を減らしたり、支出を上手に減らしたりするポイントなども説明します。

手取りの「内訳」もチェックを

収入は、手元に入ってくるお金、いわゆる「手取り」で考えます。

毎月の手取りをしっかり把握しておかないと、使えるお金や、貯蓄に回せる金額も分からなくなってしまいます。

「手取り」を確認するもっとも簡単な方法は、振込先の銀行口座をチェックすることです。

副業をしている人やフリーランスの人は、複数の企業・取引先からお金を受け取ることが多いでしょう。給与の受取口座は、1つに絞っておくとよいかもしれません。

会社員であれば、毎月受け取る「給与明細」でも確認することをおすすめします。

給与明細には、「基本給」以外の収入、たとえば残業手当、住宅手当、通勤手当……といった収入がどれくらいあるか、記載されています。

こうした手当は、今後の働き方次第で変わる可能性があります。残業が減ったら、どれくらい手取りに影響するか……など、収入が変わる余地を確認しておくとよいでしょう。

控除の申請を忘れずに

給与明細には、所得税、住民税や社会保険料も記載されています。多くの場合で、2割程度が天引きされていることも。年収500万円の人であれば約100万円ですね。あらためて、その負担の大きさを感じるかもしれません。

所得税や住民税は、給与や報酬から、各種の控除などを差し引いた金額に課税されています(課税所得といいます)。そこで、忘れずに確認してほしいのが「自分で申請する必要のある控除」です。

所得から控除できるものには「保険料控除」「配偶者控除」「扶養控除」など、全15種類ありますが、会社員であれば、このうち12種類が「年末調整」で控除できます。最近、個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入できる人が増えましたが、iDeCoの掛け金も全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)されます。

一方で、年末調整で処理できない控除が3つあります。「雑損控除」「医療費控除」「寄付金控除」です。該当する人は確定申告をして、所得控除の申請を行いましょう。課税所得が減り、払い過ぎていた税金が戻ってきます。

それぞれ簡単に紹介しておきましょう。

「雑損控除」は、災害や盗難、横領などで家や家財、現金などが被害に遭ったとき、所定の金額を所得から控除できます(※1)

(※1)控除される額は、「正味の損失額-総所得金額等×10%」「災害関連支出額-5万円」のどちらか多い方になります。

「寄付金控除」は、国や地方公共団体など特定の団体に寄付をすると、寄付金のうち一定の金額まで所得から控除される制度です。「ふるさと納税」もこれにあたります(ワンストップ特例を利用する場合は、確定申告は不要です)。

「医療費控除」では、治療や診療にかかった費用、薬の購入費、といった医療費で10万円を超えた分を所得から控除できます。ただし、医療費控除の対象とならないものもありますので注意してください(※2)

(※2)美容や人間ドックなどにかかった費用は医療費控除の対象外です。ただし、人間ドックを受診し、重大な疾病が発見されて治療した場合は、その人間ドック費用も控除の対象になります。

医療費控除と併用できませんが、特定の市販薬(※3)を一定額以上買うと、所得から控除することができる「セルフメディケーション税制」も忘れずにチェックしてください。

(※3)制度の対象となる市販薬は「スイッチOTC医薬品」(医療用医薬品から市販薬に転用された医薬品)といい、厚生労働省のウェブサイトで確認できます。商品のパッケージにも記載されています。

○セルフメディケーション税制対象医薬品 品目一覧
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000679593.pdf

指定された市販薬の購入額が、年間で1万2000円を超えると、その超えた部分を「総所得金額」から控除することができます。もう少しで控除を利用できるのに……という人は、年内に多めに買ってストックしておくとよいかもしれませんね。

医療費控除と同様に、申告する本人と生計を一にする家族や親族の支払いも合算できます。控除の上限額は8万8000円です。

こうした控除によって「課税所得」が下がると、払い過ぎた税金が戻ってくる他にも、メリットがあります。

国や自治体が行っている公的な支援は、「所得制限」を設けられていることがあります。この所得制限のボーダーライン付近にある世帯では、所得控除を行うことで、制度の基準内になる可能性もゼロではありません。

公的な支援をフル活用するためにも、きちんと控除は申請しておきましょう。

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