藤士 いえいえ、磨音さんに投資が向いていないのではなく、結婚資金が投資に向いていないだけです。結婚のほかにも磨音さんの人生に必要なお金はたくさんありますよね。例えば、老後のお金などはだれもが必要です。

磨音 老後は遠すぎて実感がわかないです。

藤士 「遠すぎる」ということは、磨音さんにとってたっぷり老後のお金を運用する期間があるということです。それこそ投資の出番です。その長い期間で一時期的に価格が下がったとしても一喜一憂せずに十分回復を待つことができるからです。

磨音 投資を「怖い」と思っていたのは、下がったときの不安でした。でも、東日本大震災で下がった株価も最近は当時の2倍以上になってきていますよね。

藤士 よく見ていますね! それだけではなく、老後が迫ってきてはじめて準備し始めるよりも、だれにでも必要なものなら、できるだけ早く準備を始めたほうが結局は負担感が少ないんです。

磨音 早く始めるとどれくらい変わってくるんですか?

藤士 例えば、60歳で1000万円持っているためには月々どれくらい積み立てる必要があると思いますか? ここではまったく運用しなかったとして考えてみてください。ヒントとして、50歳からようやく積み立て始めた人、つまり10年間で準備する場合は毎月8万3334円ずつ積み立てる必要があります。40歳からでは20年間ですから、毎月4万1667円です。

磨音 50歳からだと毎月8万円でも足りない! 私の家賃より高いです……。

藤士 では、これが30歳からの30年間では、月々いくら必要でしょうか?

磨音 うーん、ざっくり3万円弱くらい?

藤士 正解! 30歳からの30年間なら2万7777円で済みます。

磨音 ただ、老後のお金って1000万円じゃ足りないですよね?

藤士 「老後に必要なお金は2000万円」と話題になったことがありましたが、老後のお金をいくら準備すべきかは、人によって違います。何歳まで働いてもらえる収入がいくらあるかや年金額など入ってくるお金、生活費など出ていくお金も人によって違うからです。

磨音 もらえる年金の額や生活水準などの老後の暮らし方次第ってことですね。

藤士 そのとおりです。ところで、先ほどの月々積み立てるべきお金、投資を活用することで、さらに積立額を抑えられる可能性があります。下の図表を見てください。これは、30年後に1000万円持っているためには月々いくらずつ積み立てていけばよいかを「利回り」ごとに示したものです。

藤士 先ほど、全く運用しなかった場合は月々2万7777円積み立てが必要でしたが、投資をすることによって、例えば年利3%で運用できれば毎月1万7516円の積立額ですみます。月に1万円以上少なくて済むすわけです。

磨音 それだけあったら毎週、ケーキやフルーツビュッフェに行けそう!