この4~5年のモコモコ系ダウンジャケット人気が一段落し、2020年のアウトドアブランド秋冬モデルで注目されるのが、薄手でも暖かい機能性アウターだ。「ダウンの軽さや暖かさは手放せないが、もっと薄手で動きやすく、オンでもオフでも使えるアウターが欲しい」というユーザーの声に応え、登山など過酷な状況に耐えられるアウトドアならではの技術を盛り込んだタウンユースのアウターを各社展開する。人気ブランドの最新モデルを紹介しよう。
【マムート】羽毛の抜けを防ぐレーザーヒューズドテクノロジー
11月上旬、伊勢丹新宿店でポップアップショップを開き、話題になったのが、スイスのアウトドアブランド「マムート」のダウンウエア「フォティックス」だ。同社独自の「レーザーヒューズドテクノロジー」を用いたレーザー溶接加工で縫い目のないシームレスなキルトを実現、羽の抜けや浸水を防いでダウンを劣化させないことで保温性をキープしている。少し風が入るだけで凍傷を起こすような過酷な条件で使用されるアウトドアメーカーならではのテクノロジーだ。
これに雨風を通さない表地の加工や充てんするダウンの配置などを工夫して、薄手なのに暖かいアウターを実現した。カラーはタウンユースやビジネスでも使いやすい黒や茶系を用意、ボンバージャケット以外のラインアップは、通常のジャケットの上にも重ねられるサイズになっている。
タウンユースの強化についてマムート スポーツ グループ ジャパンでは、「山小屋でもシャツ・ジャケットを着るようになり、アウトドアウエアもタウン用と山用の区別がなくなってきている。マムートでもアーバニアリング(アーバンとマウンテニアリングを合わせた造語)というラインを展開するなど、山でも都会でも着られるウエアをラインアップしている。薄手で落ち着いたカラーのものを出している」と説明する。
【コロンビア】体の熱をウエア内に蓄えるオムニヒート

米ブランド「コロンビア」は熱反射保温テクノロジー「オムニヒート」を搭載した「ロックフォールダウンジャケット」を発売した。
オムニヒートは、ウエアの裏地に薄いアルミニウムをドット状にプリントしたもの。体の熱を反射させながらウエア内に熱を蓄え、保温性を高めている。開発から10年、エベレスト登山でも使われてきたウエア技術で、ダウンの量も減らしながらも暖かく、タウンユースとしても着やすい厚さのアウターを商品化した。
カラーは赤や迷彩柄のほか、ベーシックな黒や茶も用意する。「フードも取り外せ、登山でもビジネスシーンでも利用できる」とコロンビアスポーツウエアジャパン。コロナの影響もあって、ウエアもカジュアル化しており、ジャケット代わりにシャツの上に羽織るなど、オンオフ両用のアイテムとして需要を見込んでいるという。

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