『アイ・アム・冒険少年』 必死の姿が響き人気番組に

日経エンタテインメント!

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「地球を舞台に遊ぼう」というコンセプトで始まったTBSのバラエティー番組『アイ・アム・冒険少年』。2014年に誕生し、深夜帯で1年間放送された後は、単発番組として15回放送。そして今年5月に、ゴールデンタイムで再度レギュラー化された。あばれる君やフワちゃん、ティモンディの高岸宏行らが大自然の中で体を張り、原始的な方法で様々なミッションに挑戦している。

『アイ・アム・冒険少年』(月曜21時/TBS系) あばれる君は「脱出島」をはじめ、この番組のスター的存在。「あばれる君が山ごもりして、マルゲリータピザをピザ窯から作るという企画は、すぐに採用しました。彼は笑いの手数が多くて、8割すべるんですけど(笑)、2割くらいは爆発的に面白いことをやる人」(樋江井氏)

プロデューサーの樋江井彰敏氏は、番組のテーマは「小学2年生を眠らせない」ことだと語る。「21時台の放送ですが、小学2年生がお母さんに『寝なさい』と怒られながらも、『でも見たいんだ』という番組にしようと、徹底的にこだわっています。難しい笑いや下ネタは排除して。ネタを決める会議でも、『これってついていけるかな?』みたいな確認は常にしますね。子どもはすぐに飽きるので、総合演出の白井秀和は、飽きさせないテンポ感もかなり意識しています」(樋江井氏、以下同)

カッコつけない姿が魅力に

番組の看板企画は、14年の番組開始時からやっていた「脱出島」だ。無人島に上陸してから、有人島にたどり着くまでの時間を競うもの。45リットルのリュックに入るものなら、食料品と水以外なら持ち込み可能だが、それ以外はアイデアや知識で、島で自分で調達しなければいけない。

「フワちゃんは頭の回転のスピードがものすごく速い。この番組が好きと言ってくれて、忙しいなか、2、3日かかるロケでもスケジュールを確保してくれています」(樋江井氏)

あばれる君やフワちゃんら常連組のほか、レギュラーになってからは、ゆきぽよやオカダカズチカも参戦。手作りでイカダを作って、悪天候のなか必死でゴールを目指す姿など、子どもはもちろん、10代、20代や、子どもの親世代にも響いている。「演者さんには、とにかく本気でやってくださいと伝えています。なので、人前で泣くのも恥ずかしがらないような、自分をさらけ出せる人をキャスティングして。限界まで頑張っていただくぶん、魅力が伝わるように、編集ではおいしく見せようと心掛けています」

東京大学出身の知力の伊沢拓司と、体力勝負のティモンディ・高岸宏行が難題に挑戦する「冒険クイズ」では、2人のコンビネーションに注目

MCは、岡村隆史、田中直樹、川島海荷の3人。無邪気な岡村を田中がフォローし、川島が率直な感想を言うコンビネーションは、14年から培われたもの。ゴールデンでの放送が決まり、パワーアップを考えて、「真っすぐでかわいらしさのあるキャラクターが気になっていた」という、Snow Manの向井康二と目黒蓮にレギュラー出演をオファーした。「脱出島」にも挑戦するなど、反響を得ている。

世帯視聴率は、7月27日の放送が8.6%。この番組の特徴として、年配層も含む世帯視聴率と、今局が重視している“ファミリーコア(13歳~59歳)視聴率”の差があまりないことを挙げる。「若い層に確実にリーチできていて、C層(4歳~12歳)では横並び1位を取ることもあるんです。これほど若年層のグラフがいい番組って、僕はあまり見たことがなかった。局内の基準が“世帯”から“ファミリーコア”に変わったことで、本来のターゲットに純粋に、番組の特質を生かせるようになりました。今は難しいですが、『ポケトークだけで世界遺産にたどり着けるか』みたいな企画もできたら。せっかくなら『宇宙を目指したいよね』とも話しています」

(ライター 内藤悦子)

[日経エンタテインメント! 2020年10月号の記事を再構成]

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