■6位 どんぐりの呼び名事典 420ポイント
日本には22種類 散策のお供に

ドングリは1種類の植物の種子ではない。ブナ科の植物になる果実の総称で、日本にはコナラやクヌギなど22種類が存在する。秋の味覚である栗もドングリの一種だ。本書はその22種約180点のカラー画像を掲載。名前の由来や食べ方、保存方法などの情報も充実。親子で行く秋の散策に便利。

著者はドングリ愛に満ちたサイト「すばらしいドングリの世界」を運営。本業は宇宙・防衛用機器の研究開発(執筆時)。「どんぐりクッキーの作り方は想像しただけでほっこり」(宮台由美子さん)。「ポケット版 ドングリさんぽ手帖」もある。

(1)宮國晋一(2)世界文化社(3)1650円

■7位 身の回りを数学で説明する事典 400ポイント
日常を数字や法則で斬る

落としたトーストのバターを塗った面が下を向いて落ちる確率はカーペットの値段に比例する――。皮肉の効いた警句で知られる「マーフィーの法則」は正しいのか。日常のさまざまな事象を数学で読み解く。

著者は英国の著述家。数学で説明すると理解が深まるという世の事象を7つの章で解説。「日常」の章では少数派が偏見を受けやすい理由を「ピートリーの乗数」という数理モデルで説明。「カラフルなイラストやグラフが充実。数学に親しむきっかけになる」(渡辺貴夫さん)。トーストの答えは本書で。

(1)コリン・ベバリッジ(2)ニュートンプレス(3)2970円

■8位 日本全国 境界未定地の事典 390ポイント
途切れた点線に宿るナゾ

詳細な地図で県や市町村の境を見ると、境界線を示す点線が途切れる場所がある。著者は国土地理院発行の地形図を徹底的に検証。そうして見つけた全国の境界未定地約100カ所の現状と由来を地図とともに解説する異端の事典だ。

多くは、利用価値のなかった場所が開発されて紛争が起き、未解決のまま今に至るパターンという。山中や埋め立て地だけでなく東京高速道路が走る都心部の銀座でも境界未定地が存在する。未定地が日本一多い自治体という兵庫県西宮市には8カ所もある。「あってはならない場所があるようでドキドキする」(林雄司さん)

(1)浅井建爾(2)東京堂出版(3)2750円

■9位 日本の星名事典 380ポイント
ギリシャ神話と異なる物語

オリオン座の恒星ベテルギウスの和名は「ゲンジボシ」。同じオリオン座のリゲルは「ヘイケボシ」だ。ゲンジボシは赤、ヘイケボシは白で、本来の源平を指す色とは反対だが、わざと反対に伝承されたらしい。和名で星を見上げればギリシャ神話と異なる物語が浮かび上がる。

著者は星の伝承の研究者。日本各地に伝えられた星の名前約900種類を収録した。「アイボシ」「シロボシ」などシリウスだけで40近い呼び名があるという。「方言で語られる伝承の記録も貴重」(矢部潤子さん)。俳句や短歌を作る人も参考になりそう。

(1)北尾浩一(2)原書房(3)4180円

■10位 日本の色辞典 370ポイント
染屋5代目が紡ぐみやびな伝統

茜(あかね)色や深紫(こきむらさき)。着物や日本画に用いられる日本のみやびな伝統色を、和歌や歴史的逸話に触れながら解説。天然の染料や顔料で布や和紙を染めるなどして作った209色の色見本を印刷で忠実に再現したのが売り物だ。紅葉や花々、着物や建築など豊富な写真も目に鮮やか。

著者(故人)は京都で200年以上続く染屋「染司よしおか」の5代目。染織史家として伝統色の書物を多数出版している。「朱色の代表に法隆寺の玉虫厨子(たまむしのずし)を挙げているのが印象的」(浜本茂さん)。「子どもが歴史や美術に関心を持ったときに薦めたい」(神山さん)

(1)吉岡幸雄(2)紫紅社(3)3630円

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