性能ならiPhone 12、Pixel 5は価格重視

デザインやカメラ性能では甲乙つけがたい両機種だが、チップセットなどの性能では大きな差がある。iPhone 12は、上位モデルの「iPhone 12 Pro」も搭載しているアップルの最新チップセット「A14 Bionic」を搭載しており、その性能は非常に高い。これに対し、Pixel 5は、A14 Bionicの直接的な競合となる米クアルコムのハイエンド向けチップセット「Snapdragon 865」ではなく、それより1つ下のクラスとなる「Snapdragon 765G」を搭載している。

実際、3次元(3D)グラフィックをふんだんに活用するなど、高い性能を求めるゲームで確認してみると、その違いは顕著になる。ゲームに強いこだわりを持つ人など、スマホに高い性能を求めるならばiPhone 12のほうが満足度が高いだろう。

チップセット性能によって画質のクオリティー設定の上限が変わる、人気ゲーム「PUBG MOBILE」の設定で比較。Pixel 5のクオリティーは中間の「HD」までしか選ぶことができない
一方のiPhone 12は、「HD」の2つ上の「FHD」まで選ぶことが可能。その上の「UHD」は現在選択自体ができないことから、実質的に最高画質でのプレイが可能だ

ただ、その性能差は値段の違いにダイレクトに影響している。Pixel 5はストレージが128ギガバイト(ギガは10億、GB)のモデルだけで、価格は税込み7万4800円(公式オンラインストアの販売価格、以下同)。だがiPhone 12は最も安いストレージが64GBのモデルで価格が税別8万5800円(税込みだと9万4380円)、Pixel 5と同じ128GBのモデルは同9万800円(同9万9880円)と、税込み価格で2万5080円の差がある。

とはいえどちらの機種も、これだけの性能を備えていれば、スマホを日常利用する分には十分なことは確か。IP68準拠の防水・防じん性能を備える点や、FeliCa搭載で「Suica(スイカ)」などの電子マネーが利用できる点は両機種とも共通していることから、どちらを購入しても安心して使える点は変わらない。

ともにOSを開発しているメーカーが提供するスマホだけあって、OSやセキュリティーのアップデートが保証されている点も重要だ。実際、Pixel 5は最低3年間のOSアップデートを保証している。iPhone 12は具体的なアップデート保証年数は明言していないが、これまでの傾向からは、4~5年は最新OSにアップデートできる可能性が高い。両機種とも長く安心して使えるだろう。

注目の5G、Pixel 5はドコモでの利用に注意

最後にもう一つ、現在注目を集める5Gの対応状況も確認しておこう。両機種はともに5G対応を前面に押し出しているが、カバーする周波数帯はいずれも「サブ6」と呼ばれる6ギガヘルツ(GHz)以下の帯域のみ。対応する周波数帯(バンド)はPixel 5が9つ、iPhone 12は18とやや差があるように見える。

ただ国内で5Gを利用する上で重要なのは、5G向けとして国内の各携帯事業者に免許が割り当てられた3.7GHz帯(n77/n78)と4.5GHz帯(n79)をカバーしているかどうかだ。両機種の対応バンドを比べてみると、Pixel 5は3.7GHz帯の2つのバンドだけに対応する一方、iPhone 12は3つすべてに対応しているようだ。

そう考えるのは、iPhone 12が国内大手3社から販売されるのに対し、Pixel 5はKDDI(au)とソフトバンクからだけの販売で、国内で唯一4.5GHz帯の免許を持つNTTドコモが扱っていないからだ。つまりグーグルの公式オンラインストアでSIMフリー版のPixel 5を購入し、NTTドコモのSIMを挿入して使用する場合は、5Gエリア内でも5Gが使えない可能性があるので、注意が必要だ。

佐野正弘
福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。
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