ヤマハTMAX560 スクーター嫌いも黙る完成度

2020/11/22
機能性やツーリング性能を追求した大型スクーター「ヤマハTMAX560 TECH MAX ABS」(写真:向後一宏、以下同)
機能性やツーリング性能を追求した大型スクーター「ヤマハTMAX560 TECH MAX ABS」(写真:向後一宏、以下同)
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普段使いでの機能性はもちろん、ツーリング性能や操る楽しさをも追求したヤマハの“スポーツコミューター”こと「TMAX」シリーズ。その最新モデルが「TMAX560」だ。新エンジンを得たビッグスクーターの雄は、“アンチ”を黙らせる実力の持ち主だった。

これがスクーター!?

TMAXはスクーターでありながら、バイク並みの走行性能を追求してきたモデルだ。スクーターは利便性に優れるが、走りを追求しようとしても難しい部分があった。フレームの剛性を上げることができず、小径ホイールは安定性を高くすることが難しい。エンジンとリアホイールが直結されたユニットスイング構造のためにリアサスペンションの性能も制限を受けてしまう。TMAXは独自のデザインでこれらの問題に対策を講じ、モデルチェンジを繰り返すたびに性能を向上させてきた。

エンジンについては排気量を561ccに拡大するとともに、吸排気系や動弁系を改良。動力性能の向上と静粛性の改善を果たしている

これまでスクーターがあまり好きではなかった。TMAXに関しても過去のスクーターに比べれば桁違いの走行性能を有していることは分かっていたが、それでもなじめなかったというのが正直なところ。ところが現行のTMAXは、そんなスクーター嫌いが夢中になってしまうくらいの走りを見せてくれた。

走りだしてまず感動してしまったのは、エンジンのスムーズさとパワー。ゼロスタートこそクラッチ付きのバイクのような飛び出し方はしないけれど、一度動き出せば最大トルクを発生する5000rpm付近をキープしたまま力強く加速していく。不快なノイズや振動は皆無。体に伝わってくる360°ツインの小気味よい鼓動感と排気音を味わいながらの加速が楽しい。電子制御スロットルのレスポンスも違和感がなく、力強さと優しさが調和したエンジンである。

ハンドリングも素直でスクーターとは思えない安定感がある。特に素晴らしいのはハードブレーキング時。車体がよじれる感じは皆無で、急減速しながらコーナーに進入するような乗り方をしても全く不安がない。強力なブレーキングでかかる荷重をサスと車体ががっちりと受け止めてくれるので、気持ちよくコーナーに進入していくことができる。深くバンクさせた時も車体は安定している。

足まわりは、前がφ41mmの倒立フォーク、後ろがリンク式モノクロスサスペンションの組み合わせ。今回の改良では快適性を向上させるべく、セッティングが見直された
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