powered by 大人のレストランガイド
カットしたボロニアソーセージ=PIXTA

ウインナーとは「オーストリアの首都ウィーンの」という意味の形容詞。フランクフルトはドイツ中部に位置する都市、ボロニアはイタリア北部にある都市、ボローニャのことである。

これら都市の名前を冠した分類は日本特有のもので、現地では必ずしもそう呼ばれていない。「本場のウインナーソーセージを食べようと店で注文したら通じなかった」というのはオーストリアに旅した人からよく耳にする笑い話である。

では、本場ウィーンでは、日本でいうところのウインナーソーセージのことを何と呼んでいるかというと「フランクフルター」とか「フランクフルターヴルスト」だそうな。ヴルストはソーセージという意味。これはフランクフルトで修業した職人がウィーンで広めたことからそう呼ばれているとか。

フランクフルトというと日本では太めのソーセージに串を指したものを思い浮かべるが、本場フランクフルトであれを見かけることはほとんどない。フランクフルト名物のソーセージはむしろ細めで長いのが一般的だそう。そして、この種のソーセージはドイツでは「ヴィーナー(Wiener)」、つまりウインナーと呼ばれているというから、話はややこしい。これはウィーンで広まったソーセージがドイツに逆輸入される形になったからとか。

同じものをオーストリアではフランクフルトと呼び、ドイツではウインナーと呼ぶ。この手のものは「我が国が発祥!」「うちが元祖!」と争うものだが、ソーセージに関してはお互い相手国の都市の名前を冠してリスペクトしあっているところがおもしろい。

そして、ヴィーナー(ウインナー)の中でも、フランクフルト産のものが原産地名称保護制度の関係で「フランクフルターヴルスト」、すなわちフランクフルトソーセージを正式に名乗れるそうだ。

つまり、ドイツでは「フランクフルトという土地のソーセージ」という意味の食べ物は存在するが、それは日本人がイメージするフランクフルトとはまるで違う。なんとも複雑な話である。

メールマガジン登録
大人のレストランガイド
注目記事
メールマガジン登録
大人のレストランガイド