CPU性能は前の世代より2割アップ

性能面は、どちらも「A14 Bionic」という最新の中央演算処理装置(CPU)を採用している。前の世代の「iPhone 11」シリーズが搭載していた「A13 Bionic」との差を知るため、CPU性能を測るベンチマークテストソフトでチェックしてみた。その結果、A14 BionicのほうがA13 Bionicより2割ほど高い値を示した。

iPhone 12 Proのベンチマークテスト結果
iPhone 11 Pro Maxのベンチマークテスト結果

だが、実際に使ってみると、ベンチマークテストの値ほどの違いは体感できない。例えるなら、最高速度が200キロ出るクルマと150キロのクルマがあったとして、どちらも80キロで走っているようなものだからだろう。

違いが出るのは恐らく数年後だ。性能が高いと3年、4年と使い込んで、その時々の最新アプリを使ってもあまり遅く感じない。iPhone 12が後述する「Dolby Vision」での動画撮影に対応できるのも、この高性能があってこそだ。つまり、あまり気が付かない部分で、高性能を生かしているわけだ。

なお、様々な調査によると、iPhone 12 Proのメモリーは6ギガバイト(GB、ギガは10億)、iPhone 12は4GBと想定される(アップルは非公表)。この点は将来、重いアプリを複数併用するときに、違いとして感じるかもしれない。

カメラは順当に進化した

カメラはiPhone 12 Proが3つ、iPhone 12が2つとなっている。標準の広角カメラと超広角カメラはどちらも搭載している。加えてiPhone 12 Proは望遠で撮れるのが違いだ。

実際に同じ位置から撮影した公園の写真を見ていただくと、それぞれどのように撮れるかがわかるだろう。景色や人物のスナップ写真を撮るなら、標準の広角と超広角が役立つ。望遠は離れたところから動物や子供を撮影したり、遠景の一部をアップしたりするときに便利だ。

標準の広角カメラの撮影例
超広角カメラの撮影例。画角が標準の広角カメラとはこれだけ違う
望遠カメラの撮影例。光学レンズで望遠が撮れるのはiPhone 12 Proだけだ。なお、iPhone 12でも画面を拡大するデジタルズームでの撮影が可能

標準の広角カメラは前の世代より明るいレンズを搭載しており、普通に撮った写真も少し明るくなっている。当然、夜景撮影にも強い。複数の写真を撮影して組み合わせることで、夜景を明るく撮る「ナイトモード」が超広角にも対応したのが大きな進化だ。

iPhone 12シリーズは超広角でもナイトモードで撮影できる
iPhone 11 Pro Maxはこのように暗くなってしまう

iPhoneのカメラは、あまり難しいことを考えなくても美しく撮れるのが特徴だ。そういう意味では、iPhone 12シリーズはこれまで以上に“ただ撮るだけ”で美しい写真が得られるようになったわけだ。

なお、iPhone 12 Proには「LiDARスキャナ」という不可視光で被写体との距離を測るセンサーが搭載されている。これを利用して、ナイトモードでもポートレートが撮れるなど進化した点があるが、こちらも撮影の際にあまり意識する必要はない。

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映画のような動画撮影が可能に