2020/10/27

ライフステージごとにすべきこと

では、ライフステージごとに、何をすればいいのかを見ていきましょう。

・まず手取り収入6カ月分を貯蓄する

自分年金作りが重要とはいえ、現役世代にとっては、老後よりもまず今の生活を維持していくことのほうが大切です。予期しない出費があっても困らないように、まず手取り収入の6カ月分をためましょう。それがクリアできたら自分年金作りをスタートさせます。

・なるべく早く、自動積み立てで

仮に65歳までに2000万円を積み立てるとします。40歳からスタートすると毎月約6万6000円積み立てなければなりませんが、35歳からだと約5万5000円、25歳からだと月約4万円というように、早く始めたほうがムリなくためることができます。自分年金づくりは先送りにせず、すぐに始めましょう。

財形貯蓄や自動積立定期預金のように、毎月一定額が自動的に積み立てられていく仕組みを使えば、手間をかけなくても自分年金が作れます。

・積立額はムリのない範囲で

老後が心配だからと貯蓄に励むあまり、食費を削って体をこわしたのでは意味がないし、趣味や旅行、友人との付き合いを犠牲にしてしまっては人生を楽しめません。今の生活を充実させながら自分年金作りをするなら、毎月の積立額は、シングルの人で手取り収入の10~15%、実家暮らしなら30~40%、共働きで子どもがいない場合は世帯収入の30~40%、子どもがいる場合は10~20%程度になるでしょう。

・大学進学費用やマイホームの頭金も並行して積み立て

子どもの教育費のうち高校卒業までにかかるお金は家計から支出し、大学進学費用は毎月の積み立てで準備するのが基本。子どもが生まれたら、17歳時点で150万~200万円がたまるように毎月の積み立てをスタートさせます。2人目、3人目が生まれたときも同様です。

マイホームを買うなら、いつごろ買うかを決め、必要な頭金を購入時期までの期間で割って毎月の積立額を計算し、着実に積み立てていきます。

毎月積み立てられる額には限りがあるので、子どもの大学進学費用や住宅の頭金を積み立てているあいだは、自分年金に回せる積立額が少なくなってしまいます。でもそれは致し方ないと割り切りましょう。一時的に金額を減らしても、自分年金作りの積み立てを続けることが大切です。

・教育費、住宅ローンがない人はその分をためる

シングルの人は、世帯当たりの公的年金収入が少ないので、より多くの自分年金が必要です。マイホームを購入しない場合、老後もずっと住宅費を支出しなければならず、持ち家の人より多くの自分年金が必要になります。それを考慮に入れて、教育費やマイホームの頭金・住宅ローンがかからない人は、その分を積み立てに回しましょう。

・50歳になったらシミュレーション

50歳になると、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」で、65歳以降に受け取れる公的年金のめやす額がわかります。そのころには、教育費や住宅ローンにもめどがつき、老後の生活費をイメージしやすくなるので、老後の収入見込み額と支出見込み額の差額に、65歳から100歳までの月数を掛けて老後資金の必要額を計算します。そこからその時点で保有している資産額を差し引いたものが、65歳までの貯蓄目標額となります。

50歳以降、教育費の負担がなくなったり、住宅ローンを払い終わったりして家計にゆとりができたらそのぶん積立額を増やして、自分年金作りのラストスパートをかけましょう。

・自分年金作りは「貯蓄+運用」で

自分年金作りはコツコツと積み立てていくことが大切ですが、今のような超低金利だと、預金でお金をためることはできても、増やすことができないので、積立貯蓄と並行して積み立て投資もしていかなければなりません。

積み立て投資のために作られた「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」はぜひ活用してください。

ということで、次回はつみたてNISAとiDeCoを取り上げます。

馬養 雅子(まがい・まさこ)
オフィス・カノン代表。ファイナンシャルプランナー(CFP)、1級ファイナンシャルプランニング技能士。千葉大卒。法律雑誌編集部勤務、フリー編集者を経て、ファイナンシャルプランナーとして記事執筆、講演などを手掛けてきた。著書に「だれでもカンタンにできる資産運用のはじめ方」(ナツメ社)など。http://www.m-magai.net