【日本人の心の中】
cooked the books?! 本を料理したってことは、会社で本に火をつけたりしてたってこと?なんでそんなことをしたのかしら? よく警報器がならなかったわね……。辞める理由にしてはかなり変わっているわよね。

cook the booksを文字通り「本を料理する」と受け取ってしまったユウカ。実はbooksとはビジネス英語では「帳簿」「会計簿」などを指し、bookkeeperで「帳簿係」や「会計士」のことです。またcookは確かに「調理する」「焼く」などという意味ですが、口語では記録などを「ごまかす」「ちょろまかす」のような意味で使われます。つまり不正な目的のために、「組織の帳簿記録を変更する」というときに使う表現になります。

ですからリズは経理部で本を燃やして解雇されるわけではなく、帳簿を不正に処理したことで辞めることになったのです。これはさすがにみんな穏やかではいられませんよね。

では、会話での使い方を見ていきましょう。

A: Why are you going to quit your job? どうして仕事辞めるの?

B: My boss asked me to cook the books. ボスに会計を不正処理しろと頼まれたんだ。

上記のように、ask someone to cook the books で「会計を不正に~に頼む」という意味になります。あまり自ら日常生活で使うことは少ないかもしれませんが、噂話などではよく出てくる表現なので、聞いてわかるようにしておきましょう。

また、one's cooking of the books(~の会計不正処理)のような形で使われることもあります。

A: Danny got fired? ダニー解雇されたの?

B: Yeah, he was fired because his cooking of the books came to light. そうだよ、帳簿をちょろまかしてバレたんだ。

また、このフレーズは会話の他にも、ニュースや新聞記事などでも使われる表現なので、覚えておきましょう。

The former secretary has been cooking the books for years and the company has lost millions. 元秘書は何年も帳簿をごまかし、会社は多くの損害を出した。

のように使われます。

cook the booksと韻を踏んでいてリズムがよいため、見出しなどでもよく目にするフレーズです。また、会話ではcook upで「でっちあげる」「証拠などを改ざんする」という意味で使われます。

He cooked up a story to explain why he skipped the class. クラスをさぼった説明をするためにボブは話をでっちあげた。

のように使います。

このようにcookには「料理する」の他にも、「ごまかす」という意外な意味があることをご理解いただけましたでしょうか? 日本語でも「煮るなり焼くなり」のような表現もありますね。「処理する」というところから「都合のいいように処理する」意味合いで使われるようになったのでしょう。

次のページ
さらに掘り下げたいcookとその関連表現