自ら宿題済ませる子供にするには?漫才師・作家、山田ルイ53世さん

やまだるい53せい 1975年兵庫県生まれ。愛媛大学中退後に上京し、芸人の道へ。99年、ひぐち君と「髭男爵」結成。2018年には月刊誌連載の「一発屋芸人列伝」が「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」作品賞受賞。
やまだるい53せい 1975年兵庫県生まれ。愛媛大学中退後に上京し、芸人の道へ。99年、ひぐち君と「髭男爵」結成。2018年には月刊誌連載の「一発屋芸人列伝」が「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」作品賞受賞。

我が家の息子は学校から帰るとゲームなどで遊び、ダラダラ過ごしています。「宿題は?」と聞くと手付かず。「今、やろうと思ってたのに!」などと反論されてケンカになります。どう教えたら、言われなくても宿題を片付ける子供に変身できますか?(神奈川県・40代・女性)

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これは至極簡単な話。「親に言われなくても宿題を片付ける子供」がお望みなら、「子供が机に向かうまで何も言わない親」に貴方(あなた)が変身すればよいのです。……などと、一休さんお得意の、“屏風のトラ”方式で煙(けむ)に巻こうとしたところで、「その手があったか!」と相談者をうならせることは難しいでしょう。

いや、今回のお悩み、筆者には少々荷が重い。何しろ、「なんでべんきょうしないとダメなの?」と長女(小2)に詰め寄られ、「……勉強でもしてないと、人生暇だよ?」と真顔で返してしまうような身も蓋もない人間。加えて我が家では似たような状況でも、そこまで目くじらを立てることはありません。

小学生のころの筆者は、ファミコンや少年ジャンプ、キン肉マン消しゴムにビックリマンシールなど、クラスメートが夢中になった、ありとあらゆる娯楽と無縁でした。実家が特段貧しかった記憶もないので、おそらく父の教育方針。おかげで、休み時間のたびに、ドラクエや北斗の拳の話題になりませんようにとビクビクしていました。自分の娘にあんな思いはさせたくないので、“ある程度”は好きにさせている次第です。

気になるのは「どう教えれば……」と仰(おっしゃ)っている点。まるで、どこかに“正解”があるような、その物言いです。

確かに世間は、「親業をうまくこなしています」という発信であふれていますが、うのみにするのもどうかと。“芸能人の育児ブログ”とか、“天才棋士の幼少期を特集するワイドショー”の類(たぐい)はあくまでエンターテインメント。あるいは、住宅展示場のモデルルームと同じです。モデルルームがお洒落(しゃれ)で綺麗(きれい)なのは、そこに人が住んでいないから。

実生活とは別物の“素敵”を真に受け、息子さんとご自身のハードルを上げても仕方がない。数年前、筆者の妻は『叱らない子育て』なる一冊を片手に長女を叱っていましたが、頼もしい限りです。

結局親にできるのは、「遊ぶのは、やることをやってから!」「1日1時間まで!」等々、ルールを設け、トライ&エラーを繰り返し、“小言の精度”を上げていくことくらい。そういう“ゲーム”だと割り切って楽しめば……いや、それこそ「言われなくても」実践済みでしょうか。

[NIKKEIプラス1 2020年10月17日付]


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