――メンズの服でもカジュアル化が進んでいます。大人が着るのにふさわしいカジュアルとはどんなものでしょうか。
「たとえば、このマネキンが着ているリネンマドラスのシャツ(1ページ目トップ写真)や、リバティプリントのアーカイブをアレンジしたパジャマみたいなパンツ。涼しいサファリジャケットやシャツジャケット。クリーンなピュアホワイトのパンツ。リラックスしたアイテムが盛りだくさんですが、いずれも素材にめちゃくちゃ凝っています」

大人に合うカジュアル 「リラックス」がキーワード
――しゃれた色使いや遊び心が鴨志田さんの持ち味ですが、どんな思いを込めていますか。
「これからは『リラックス』が絶対のキーワードです。バンドカラーのシャツはちょっとパステル調の色にして、しゃれたストライプにすることで、カジュアルだけどエレガントな雰囲気がでるようにしました。若い層向けにいっぱい出回っているアイテムを、デザインや生地の使い方で、大人が着られるものとして作っています。カーディガンぽいジャージーのジャケットも肩の力が抜けていいですし、ネイビーのアンコンジャケット(1ページ目下の写真)はダブル仕様で新鮮に。白のTシャツにはおるだけで雰囲気が出ます」

「ドレス系ではこちらのバニラカラーのスーツのようにリゾートで着たり、遊びで着たりできるもの。タイドアップしなくても着られる、だけど決して時代に流されないようなものを意識しました。大人が楽しむ、社交性のあるドレスという思いを込めています」
――服の売れ行きが落ち込んでます。おしゃれへの関心が低くなっているのでしょうか。
「ファッションの役割って生活の中で不要不急かもしれませんが、アートと一緒で人生を豊かにするものなんです。日本人は身の回りのものこだわりますよね。部屋に置く工芸品一つにしてもそうで、そこに生活の豊かさや楽しさを感じることが身についているのではないでしょうか。アメリカは今、おしゃれするのはかっこ悪い、みたいな風土になっているけど、日本は絶対そうはならない」


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