知識を総合し考え抜く 投資は最良のビジネスの教科書人生の景色が変わる本(18) 『ビジネスエリートになるための教養としての投資』

奥野一成著 ダイヤモンド社
奥野一成著 ダイヤモンド社

今、注目を集める現役ファンドマネジャーによる本書。といっても、株式投資のノウハウを指南するわけではない。投資とはそもそもなんなのか、個人や社会にとってどんな意味を持つのか、といった本質を説いている。

日本では投資の習慣がなかなか根づかず、「楽をして儲(もう)けるもの」「博打(ばくち)のようなもの」という誤解も多い。だが、投資とは幅広い知識を総動員して仮説を立て検証する、いわば知の総合格闘技。投資家の思想を持てば、他の会社の動きや世界の動きが分かるようになり、自分の仕事も大局的に見られるようになる。つまり、投資はビジネスにおいて成功するための最良の教科書なのだ。コロナ禍で先行きの不透明感がさらに増した激動の時代を生き抜くためにも、投資家のマインドはビジネスマンに必須の教養なのかもしれない。

要点1 投資家の思想が働き方を変える

たとえ組織の一員であったとしても、「投資家マインド」を持つことで、働き方そのものが変わってくる。例えば、ある企業の株式に投資することは、その企業のオーナーになるということ。当然、企業戦略やマーケットなどを把握し、自分なりにその企業について徹底的に分析する必要がある。これは、就職活動や商談にも必ず生かせること。また、投資家マインドを持てば、より広い世界に目が向き、人脈も広がる。そういった人々は、どんな状況においても生き延びていけるだろう。

要点2 若いうちはまず自分への投資を

投資の効果は短時間では得られないため、若いうちから投資を始めないと、十分な効果を得られない。まず必要なのは、自分自身のスキルを磨いたり見聞を広めたりといった自己投資。そうすることで自分の能力が向上してビジネスがうまくいくようになり、給料も上がる。そこで生まれた経済的な余剰分を株式投資に回せば、自分の働きによるお金だけでなく、将来的には他人の労働によるお金も得られるようになる。

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要点3 “投資”と“投機”は全く異なるもの
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