2020/9/29

収入の保障に関しても、業務外の事由による病気やケガの療養で仕事を休んだ場合には健康保険の傷病手当金が、業務が事由であれば労災保険の休業補償給付があります。勤め先の倒産などで失業した場合には、雇用保険の基本手当を受け取れる対象となります。

コロナ禍で創設された「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金・支援金」のような新しい制度が登場することもあるので、こうした情報には常にアンテナを張っておく必要があるでしょう。

公的保障は主に国の制度ですが、自治体でも独自の制度があったり、国の制度に上乗せして給付していたりするところがあります。自治体のホームページを確認し、どんな制度があり、要件はどうなっているかを確認しましょう。申請しないと給付が受けられない場合が多いからです。

勤務先によって付加給付など上乗せ

次に、勤め先の保障についても確認が必要です。相談を受けていると、どのような制度があるかを把握していない人が多いと感じます。高額療養費制度や傷病手当金の法定給付分に上乗せする付加給付があったり、差額ベッド代の補填など各種手当金が充実していたりするなど、勤め先の保障が恵まれていることに驚く人も少なくありません。

会社員・公務員か自営業者・フリーランスか、会社員でも大企業か中小企業かなどによって勤め先の保障の有無は違いますが、公的な保障は誰でも備わっています。

コロナ禍で不安感が増す状況ではありますが、不安を解消しようと保険への加入を検討する前に、すでに備わっている保障を確認し、不足する分だけ加入するようにしたいものです。リスクへの備えは手元にある資金もその役目を担いますから、保障の設計と資産形成の両建てで備えるようにしましょう。

浅田里花
ファイナンシャルプランナー。株式会社生活設計塾クルー取締役、東洋大学社会学部非常勤講師。大手証券会社、FP会社に勤務後、1993年に独立。現在はFPサービスを行う生活設計塾クルーのメンバーとして、コンサルティング業務のほか、執筆・講演活動を行う。著書に『災害時絶対に知っておくべき「お金」と「保険」の知識』(共著 ダイヤモンド社)など。

(おわり)