苦境続く夜の飲食店 政府の支援、効果はまちまち

新型コロナは老舗ふぐ料理店「づぼらや」も閉店に追い込んだ(9月15日午後、大阪・新世界)
新型コロナは老舗ふぐ料理店「づぼらや」も閉店に追い込んだ(9月15日午後、大阪・新世界)

居酒屋など夜の飲食店の苦境が続いています。購買データを分析するナウキャスト(東京・千代田)とJCBによると、8月後半の消費は全体が前年同期比9%減だったのに対し、居酒屋は同48%減でした。政府は飲食店の利用者にお得な食事券などを配る「Go To イート」事業を10月から本格的に始めます。政策への期待や評価を当事者や専門家に聞きました。

おしゃれな飲食店が集まる東京・吉祥寺も、半年ですっかり様変わりしました。地域の情報サイト「吉ファン」を運営する山岸学さんは「お店がこんなに減ったのは初めて」といいます。山岸さんが大手予約サイト「食べログ」の掲載店舗数を調べたところ、9月の同地域は約1300店で年初から400店も減りました。「家賃が下がることで新たな出店も期待できるが、夜の店はまだまだ厳しい」と複雑な表情です。

Go To イートでは1万円を出せば1万2500円分の食事券がもらえます。山岸さんは「吉祥寺の人はコストパフォーマンスを重視するので、財布のひもが少し緩むかもしれない」と期待を寄せます。

「店にお客さんが戻るのが一番」とキャンペーンを歓迎するのは、都内や岩手県などで5店舗を経営するTregion(東京・港)の吉田慶社長です。東北産の食材を提供するレストランなどを2013年から出店してきましたが、今春以降、累積の赤字額は4000万円に達しました。Go To イートの開始で、地元客などの来店増を期待しています。

政府による様々な支援策は効果があったのでしょうか。一橋大学の田中万理講師らは、売り上げが前年より50%以上減った事業者への持続化給付金は、飲食店などの事業継続に一定の効果があったと分析しています。一方、従業員への休業手当を補填する雇用調整助成金は効果がほとんど見られませんでした。田中さんは「小規模事業者はもらえる見込みが小さかったから」とみています。「(Go To イートで)人出が増えて感染者も増えれば、長期的には客足が鈍ることになるかも」と心配します。

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