「キャリア見直し」女性の過半数 在宅勤務にひずみも日経ウーマノミクス・プロジェクト調査

2020/9/29

新型コロナウイルスへの対応でテレワークなど働き方が変わり、女性の意識が変化している。8月下旬の日経ウーマノミクス・プロジェクト会員への調査では、1136人中54.6%が「転職や副業、起業、学び直しを具体的に考えたり、行動したりした」と回答。キャリア見直しに動いていた。

「職歴を整理してみようと転職サイトに登録した」のはシステムエンジニアの30代女性。「明確な転職意思はない」としながらも、「自分にどんなオファーが来るのか、興味を持つようになった」。

職歴整理にとどまらない。ほぼ毎日テレワークをしている人からは「米国公認会計士(CPA)など勉強中。電車の時間がなくなりありがたい」(30代)、「副業解禁に備え勉強していたが、2月末からは通勤時間があてられるようになった」(40代)といった声が上がった。転職・起業まではいかなくても「自分で事業を立ち上げられないか、社内新規事業を応援するプログラムに参加している」20代もいた。「価値観が一変した」結果、21年間務めた自治体を退職し、「転職、フリーランス、起業と劇的に変化した」(50代)人もいた。

通勤などで浮いた時間の使い方で目立ったのは、資格の取得やスキル向上を図る動きだ。オンラインで「外国語の習得にチャレンジ」(40代)する人は多かった。他にも「3月以降、パイソンのプログラミングと簿記の勉強を始めた」(50代)。30代の一般事務女性は「今後、メンタルヘルス対策の需要が増えると考え、心理学資格の通信教育を始めた」。

勤め先への不満から転職活動を始める人も一定数いた。通信会社のマーケティング部門で働く30代が転職エージェントに相談したのはテレワーク時にウェブカメラの常時接続を求められ、「ハラスメントだと感じた」からだ。「希望者が多い割に募集が少なく、給与が下がる可能性が高くても転職を検討する」と語る。

テレワークをしていない人にもキャリア見直しの動きは広がっていた。30代営業職女性は「どの業界も安心できない。国家資格を取るため勉強している」という。40代の通信サービス業で働く女性は「テレワーク不可の会社から、可能な会社に転職した。元の会社は休業したので正しい判断だった」としていた。

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コロナ下、テレワーク評価7割