目を閉じたままでモノが見える フクロウ驚異の能力

日経ナショナル ジオグラフィック社

2020/10/9
ナショナルジオグラフィック日本版

擬態の名人ニセメンフクロウは、目を閉じていても物が見える。写真はマレーシアのペナン・バードパークのもの(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)

忘れられない鳴き声からぐるりと回る首、憂いを帯びた目まで、フクロウはいろいろな魅力にあふれている。

さらに、あの神秘的な雰囲気や、神々しさの秘密はどこにあるのだろうか。フクロウたちの驚きの能力と魅力を紹介しよう。

自在に回る首

フクロウの目は非常に大きいため、眼球を眼窩(がんか)の中で動かすことができない。そこで頭ごと向きを変えなければならず、ホラー映画ばりに首を回すことになるのだが、あんなことができるのは複雑なシステムのおかげだ。

まず、フクロウの頭蓋は1カ所で支えられているため、2カ所で支えられている人間と比べて可動域が広い。首の骨も、人間が7個なのに対し、フクロウは14個もある。

また、フクロウの首の血管はほかの動物より太い上、頭に近いほど太くなる。そのために「首をねじっても血流が妨げられない」のだと、2018年に『Owls of the World(世界のフクロウ)』を出版したジェームズ・ダンカン氏は述べている。

電波探知機のような顔

フクロウの丸い顔は、単にかわいいだけでなく、パラボラアンテナのような役割を果たしている。

フクロウの「顔盤」と呼ばれる目の周りの平らな部分には、硬い羽毛が幾重にも密集して生えており、表面で音を反射させて耳に送っている。「私たちが音を良く聞こうとするときに、手のひらをくぼませて耳の後ろに当てるのと同じです」とダンカン氏は説明する。

「顔盤の形を調節することで、フクロウは音を耳に集めることができます」

この並はずれた聴力のおかげで、フクロウの中でも最も大きな顔盤を持つカラフトフクロウは、深さ45センチの雪の下にいる獲物を探知できる。

米メーン州を飛ぶシロフクロウ。寒い場所に生息する種で、北極圏のツンドラで繁殖する(PHOTOGRAPH BY ROBBIE GEORGE, NAT GEO IMAGA COLLECTION)

北極地方のシロフクロウのような、顔盤が小さめのフクロウでは、聴覚よりも視覚によって狩りをすることが多い。

ものまねの名人

南アジアに分布するニセメンフクロウは、顔盤を動かして、まるで角があるように見せることができるとダンカン氏。

これは、いかにもフクロウらしい輪郭を変えて擬態するためかもしれないし、感情を表現するためかもしれない。また、ニセメンフクロウは目を閉じていてもものが見える。大きな黒い目を覆う白いまぶたに、細い隙間が複数開いているためだ。

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