3密避けて小旅行 キャンピングカーを気軽にレンタル

車体横にタープ生地を吸盤で貼り付けて屋根を作り、テーブルやイスを設置してくつろいだ
車体横にタープ生地を吸盤で貼り付けて屋根を作り、テーブルやイスを設置してくつろいだ

自然の中で過ごしたいが、テントの設営は面倒。そんなときに便利なのがキャンピングカーだ。3密を避けて家族で外出できる特性も、新型コロナウイルス下のニューノーマルにマッチする。ここ数年増えてきたレンタルキャンピングカーで、楽しさを実感した。

キャンピングカーは、車体の形状やサイズにより「キャブコン」「バンコン」「軽キャンパー」に分かれる。

一般的なイメージに近い車種はキャブコンで、「キャブコンバージョン」の略称だ。トラック中心のベース車のキャブ(運転席)を残し、後方に居住用キャビンを架装した車種で、後方に常設ベッドを持つ車種が多い。トヨタ・ハイエースなど商用バンの内部を改造するバンコンより室内は広いが、その代わりに車重が重くなり、バンコンと比べて走行性能は犠牲になる。

軽自動車をキャンピングカー仕様にしたものが軽キャンパー。ベース車は軽ワゴン車なので取り回しが楽だ。室内は狭めだが、夫婦旅や1人旅には手ごろだ。

新車なら軽キャンパーで300万円以上、キャブコンだと600万円以上はする。なかなか手を出しづらいが、最近は1日単位でレンタルできる事業者が増えてきた。週末に2日間(1泊)利用しても4万~5万円だ。レンタルはキャブコンが主流だが、業者によってはバンコンや軽キャンパーを選択できる。実際に筆者夫婦2人でキャブコンタイプをレンタルし、1泊2日の旅を体験した。

車を予約し、宿泊場所を探した。車両で寝るだけなら電源と夜間に使用できるトイレを備えたRVパークでもよいが、今回は山梨県のオートキャンプ場に行くことにした。

外部電源のコードを接続。 外部電源に接続すれば車両のバッテリー残量を気にせず電気製品を使える

レンタルのキャンピングカーは車内設備の使用法を教えてもらう必要があり、通常のレンタカーより貸し出しに時間がかかる。店を出たのは到着の1時間後。この時間も計算に入れたい。

キャブコンはスピードが出ないので、移動時間は多めに見積もりたい。今回は中央自動車道を走ったが、きつい上り坂では時速70キロメートル強がやっと。箱形なので横風の影響を受けやすく、直進安定性も低い。カーブでは外側に振られやすく、確実に速度を落として進入しなければならない。

車高が高く、街路樹が道路にせり出している場所では、引っ掛けないよう注意しなければならない。駐車に関しては、左側の車両感覚がつかみづらいのと、左後ろが見えないことにやや苦労した。

キャンプ場に到着して割り当てられた区画に向かう。夕食はバーベキュー。夏から秋は食材をしっかり保冷しないとすぐに傷むが、キャンピングカーなら常時冷蔵庫を使えるので、その心配は無用だ。炭火で焼いた肉や野菜は、塩とコショウだけでびっくりするほどおいしかった。

就寝前の社内の様子。座席をベッド展開して布団を敷いた。後部にも常設の2段ベッドがある

今回は夫婦2人なので、キャブコンには十分すぎるほどの就寝スペースがあった。この車両には最大6人が就寝可能だが、さすがに大人6人だと窮屈かもしれない。夫婦と子供2~3人なら狭さは感じないはずだ。

キャンピングカーには寝具がないので、布団などは別途持ち込む。キャンプなのに布団で眠れるのは、想像以上に快適だった。ただし全員分では場所を取るし、2段ベッドは幅が70センチメートルほどしかないので、あれば寝袋を使うとよい。バンクベッドや2段ベッドはややクッション性があるので、硬めの寝床で眠れる人なら掛け布団や毛布と枕だけでもよい。

借りた車両には家庭用エアコンがなかったが、ベンチレーターファンで常時空気を入れ替えられた。自然豊かなキャンプ場だったので夜は気温が下がり、エアコンなしでも平気だった。

カセットコンロで朝食を準備し外のテーブルでさわやかに朝食を味わった

朝食後、周囲が慌ただしくテントの撤収作業をする中、自分たちは車外のテーブルなどをしまうだけ。着替え場所にも困らない。キャンピングカーがあるだけでキャンプのハードルはずいぶん下がると感じた。次はもっと大勢で楽しみたい。(日経トレンディ9月号から再構成 文と写真・岡本 ゆかり)

[2020年9月19日付日本経済新聞夕刊]

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