好きな芸人、サンドウィッチマン3連覇 3位劇団ひとり
好きな芸人 嫌いな芸人 2020
日経エンタテインメント!による毎年恒例のお笑い芸人人気調査。全国1000人の男女を対象に、「1番好きな芸人」「1番嫌いな芸人」「この1年で最もブレイクしたと思う芸人」「これから1年で消えると思う芸人」の4項目についてアンケートを行った。「好きな芸人」はサンドウィッチマンがV3を達成。2位明石家さんま、3位タモリと上位常連が並ぶなか、今年は同率3位で劇団ひとりが入るという異変があった。また、3月に急逝した志村けんさんが5位に。ほかにイモトアヤコやカズレーザー、山里亮太らの順位が上昇。彼らからは「共感」というキーワードが浮かび上がる。
サンドウィッチマンは、2位の明石家さんまに昨年同様50票以上の差をつけ、揺るぎない人気を見せた。好きな理由は「ネタが面白いから」(90%)が最多。続く「キャラクターが好きだから」も72%と高い。世代・性別のカテゴリーでは、男女ともに全世代でトップだ。
この1年でさらにレギュラー番組を増やし、現在テレビだけでも15本に及ぶ。特番を経てレギュラー化した『バナナサンド』(TBS系)は、2人のラブコールによって実現したバナナマンとのバラエティということもあり、お笑い好きを中心に注目を集めている。
昨年に引き続き2位となった明石家さんまは「キャラクターが好きだから」(75%)が最多理由でこれまでと変わらず。昨年は『アメトーーク!』(テレビ朝日系)へのゲスト出演や、『誰も知らない明石家さんま』(日本テレビ系)で大竹しのぶと離婚後初の2人ロケをしたことも話題になった。自由意見では「あれだけ話し続けることができるのはすごい」(38歳男性)と年齢を感じさせないトーク力を称賛する声がある一方で、「男女差別的であったり、LGBTに対する偏見があったりするように思う」(35歳女性)といった今の時代感を表す意見もちらほら。
タモリと同率で3位に入った劇団ひとりは13年ぶりの20位入り。最も多かった理由は「キャラクターが好きだから」(66%)だが、25~34歳女性ではサンドウィッチマンと同率首位だったことから、若い女性の新生活を応援する番組『幸せ! ボンビーガール』(日本テレビ系)の影響が少なからずありそう。昨年はレギュラーも2本新たに始まった。
志村けんさんが5位、笑いや人柄に賛辞
今年3月、新型コロナウイルス感染症による肺炎で急逝した志村けんさんが5位に。追悼番組などを通じ、改めて彼が生み出してきた笑いや人柄に触れ、様々な世代の記憶を呼び起こした結果だろう。自由意見では「幅広い年齢層が見て面白いと思えるのはすごい」(40歳男性)といった賛辞や、死を惜しむ声が多数寄せられた。
10位に返り咲いたイモトアヤコと14位の山里亮太はそれぞれ昨年結婚。イモトは番組ディレクター、山里は女優の蒼井優と、相手の肩書きは違えど、世間の共感を得た結婚だったという共通項がある。イモトと同率で10位に浮上したカズレーザーは、昨年10月から『とくダネ!』(フジテレビ系)のスペシャルキャスターに就任。切れ味鋭いコメントがネットニュースで取り上げられる機会が増えている。
「好きな芸人」の今年の特徴は、安定した人気を誇る面々の再浮上が目立つこと。キーワードは「共感」。なかでもカズレーザーはバラエティ番組以外のところから躍進した珍しいタイプで、これからの芸人像を占う意味でも注目だ。
質問項目:編集部がピックアップしたお笑い芸人293組を対象に、「一番好きな芸人」「一番嫌いな芸人」「この1年で最もブレイクしたと思う芸人」「これから1年で消えると思う芸人」の4項目について当てはまる芸人をそれぞれ1組選択。併せて、その理由も各設問の選択肢(5項目)からいくつでも選んでもらった
調査方法:インターネット調査
調査期間:2020年5月7日~22日
回答者:日経BPコンサルティング調査モニターより1284人が回答。日本の人口構成比に近似させるようにウエイトバック集計を行った。男女比は約半々。25~34歳:27.3%、35~44歳:33.7%、45~54歳:39.0%
(ライター 遠藤敏文、木村尚恵)
[日経エンタテインメント! 2020年9月号の記事を再構成]
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