閲覧サービスも開発 「社史」の人間ドラマはこう読め『20社のV字回復でわかる「危機の乗り越え方」図鑑』より

さらに、社史コンテンツのデータはデータベースには保存せず、すべて「JSON(ジェイソン)」と呼ばれる形式で保持することによって、低コストかつ柔軟性のある設計にしています。将来的な機能追加を考慮して、マイクロサービスアーキテクチャーの設計思想を踏襲しました。

少し技術的な内容になりましたが、要約すれば、今のウェブ業界のメインストリームにあたる設計思想・技術を駆使し、ローコストで作ったのが、The社史というわけです。

このコードを書くために、エンジニアへの転職を決意した

正直に言って、社史というニッチな分野に対して、これだけ最先端の技術を使用するのは「やりすぎ感」が否めませんが、三度の飯より社史が好きなために、凝りに凝ってしまいました。

「過去の危機」が教えてくれる「今の危機」の乗り越え方

最後に、ビジネスパーソンの皆さんが社史を読む便益をお伝えしたいと思います。私が考える社史を読む便益は、「長期視点を手に入れることができる」ことです。そして、この長期視点は「予想外の危機」に対して、真価を発揮します。

ビジネスの世界は、3カ月や半年、1年、3年という、短期スパンで動いています。細かく区切られた期間の成果がビジネスパーソンにとって重要な指標であり、通常、目標設定・人事考課も同様のスパンで行われます。

ですが、歴史を振り返ると、十年に一度程度のペースで、必ずと言っていいほど「不測の事態」がビジネス界に襲い掛かっています。

直近では新型コロナウイルスによる経済活動の制限やリーマン・ショックが代表的ですが、過去にも金融危機やオイルショック、第2次世界大戦……と、ビジネスの世界の常識は、危機によって何度も根底から覆されてきています。

当然ですが、このような不測の事態にあっても、私たちは生き延びていかなくてはなりません。危機の前後でビジネスの常識が180度変化することもあるでしょう。

ビジネスパーソンが長く活躍していくためには、数カ月・数年のスパンの人事考課ではなく、十年に一度程度訪れるこうした「不測の事態」をいかにして乗り越えていくのかにかかっているのです。

「昔はイケイケだったけど……」という烙印(らくいん)を押されたり、昔の武勇伝を語るしかない人に落ちぶれてしまうのは、この「不測の事態」に対処できないことが原因です。そうならないためにも心のどこかで常に長期視点を意識し、危機に備える姿勢を持ち続けることが欠かせません。「社史」を読むことで、その「長期視点」を身につけることができるでしょう。

では、今、直面する「危機」に対処する方法は? 

その答えを知りたい方は、『20社のV字回復でわかる「危機の乗り越え方」図鑑』をお読みいただければと思います。そこで書かせていただいた、危機に直面した人間の選択のドラマが、危機を突破するための参考になることでしょう。

社史から描かれた20社の事例で、「危機突破の本質」がわかる

20社のV字回復でわかる「危機の乗り越え方」図鑑

著者 : 杉浦 泰
出版 : 日経BP
価格 : 1980 円(税込み)

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