老後のため妻も働いてほしい脚本家、中園ミホさん

なかぞの・みほ 脚本家。東京都生まれ。TVドラマ「Doctor-X 外科医・大門未知子」「花子とアン」「西郷どん」などを手掛ける。現在は、10月放送開始「七人の秘書」(テレビ朝日)を執筆中。
なかぞの・みほ 脚本家。東京都生まれ。TVドラマ「Doctor-X 外科医・大門未知子」「花子とアン」「西郷どん」などを手掛ける。現在は、10月放送開始「七人の秘書」(テレビ朝日)を執筆中。

前の会社を早期退職した後、派遣社員として働いています。給与は月8万円ほどで前職の10分の1以下に下がりましたが、老後のためと思って頑張っています。それなのに妻は相変わらずの専業主婦です。子供はもう巣立ったので、家にいてもすることはほとんどないはず。どうすれば妻に働いてもらえますか。(埼玉県・60代・男性)

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以前の会社では月80万円以上の高給取りだったんですね。10分の1以下になっても働き続けていらっしゃるのは、とても立派だと思います。

ただ、専業主婦をしていた奥さまがいきなり外で働くのは、とても勇気がいることです。年をとれば体力も記憶力も落ちる。それなのに面接を受けて、知らない人に交じって慣れない仕事を始めるのは、嵐のなかに放り出されるようなものです。まずご主人は、そこをしっかり理解する必要があります。

もう一つ。これは言わずもがなですが、ご主人がこれまで思いっきり仕事ができたのは、奥さまが家事を全部引き受けてくれていたからです。専業主婦としての奥さまの働きを思いっきりねぎらったうえで、こう伝えてみてはいかがでしょうか。

老後も一緒に旅行したりしたいから、君もこの年で大変だろうと思うけれど、少しでいいからお仕事してもらえませんか、と。

それで、もし奥さまがパートに出てくれたとして、月の稼ぎは8万円に満たないかもしれません。それでも家事は必ず、きっちり半分やること。奥さまと同様、経験のないご主人が掃除したりご飯つくったりするのは、やっぱり大変なことだと思います。

奥さまにご苦労をかけるのだから、まずはご主人が態度で示してもいいでしょう。「今日から僕が家事を半分やるよ」と言えば、奥さまは感謝するだろうし、私もちょっと仕事してみようかなという気持ちになるかもしれません。

最初のお小遣いは、自分のために使わせてあげてくださいね。自分で稼いだお金で欲しいものを買う喜びは、何十年もなかったと思います。

それで奥さまが「一緒に食事に行きましょう」と言ってくれればハッピーエンドだし、仮に自分のバッグを買ってきたとしても、「そういうことじゃないんだけど」とか文句言わずに「よく頑張ったね」と褒めてあげてください。

なかには専業主婦をしていた女性が仕事に目覚めて、ものすごく稼ぐようになるケースがあります。眠っていた別の才能が開花するんです。そんなときも、ひがんだりいじけたりしないようにしてくださいね。

[NIKKEIプラス1 2020年9月12日付]


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