白百合で知った多様な生き方 異色女性官僚の高校時代須賀千鶴・世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター長(下)

毎年必ず、障害者や児童養護施設を訪問し、ボランティア活動を行います。秋になると「赤い羽根共同募金」に参加。3人1組になり、街頭に立って寄付を呼びかけます。官僚になる際の新人研修での話ですが、いろいろな福祉施設を訪問する機会がありました。その際、圧倒的な多様性にショックを受けて一時的に研修に通えなくなる新人がいましたが、白百合出身であればそんなことにはならないと思いました。

私は国際弁護士になるという夢を実現するため、東京大学文科1類に進学しました。白百合には系列の大学もありますが、他の大学に進む生徒が多かったと思います。

白百合学園高校の2020年の進路実績によると、卒業生177人のうち、現役合格者は東大が6人など国公立大学への進学者は13%、早稲田大学や慶応義塾大学など難関私立大学の進学者は22%。近年は医学部進学者が増加し、医療系は大学進学者のうちの38%を占める。

「白百合では毎年必ず、障害者や児童養護施設を訪問した。外部の多様な人たちとの交流を大事にする学校だった」と振り返る

東大法学部に進学しましたが、進路を大きく変更することになりました。実際の法廷を見学してみると、映画のような熱いやりとりは交わされていませんでした。当時は裁判員制度がなかったこともあり、裁判所では書類をやり取りするばかりでした。もう一度ゼロからキャリアを考え直そうと思い、当時就職人気の高かったゴールドマン・サックスという投資銀行でインターンをやりました。

「官と民」というキャリアを考えるシンポジウムにインターンの上司が「民」代表として登壇するというので聴きに行きました。そこで「官」側の代表として登場したのが斎藤健さんでした。当時の通産省に入省し、衆議院議員になり、農林水産相などを務めた方です。「官僚になれば、世の中のためにアクセル全開で奔走できる」という話に感銘を受けました。

周囲には官僚志望の友人がいましたが、私は自由奔放な性格なので官僚は務まらないと考えていました。しかし、斎藤さんのお話を聞いて官僚のイメージが一新しました。結局、国家公務員試験を受けて経産省に入省しました。

「この茶パツのギャルみたいな子がうちに入るの」。入省時の採用担当者は説明に苦労されたようです。入省後もアルバイトと間違われたりしました。

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