女性の「社外取締役」のニーズが増加
管理職としてキャリアを積んだ女性には、さまざまな可能性が広がります。
今、私のもとには「女性の社外取締役を紹介してほしい」というオーダーが多数寄せられているのです。
大手企業は、国から「女性役員比率の引き上げ」を求められています。また、株主総会などでは、女性役員が不在であることを指摘され、ダイバーシティの観点を問題視されることもあります。
かといって、「仕方なく取り組む」だけではありません。大手企業自身、取締役が男性で固められている中、「女性が入ることで新鮮な空気が送り込まれ、よい意味で緊張感が生まれる」と、プラス効果に期待を寄せています。
それでも、「常勤の女性取締役をそろえるにはまだまだ時間がかかる」と頭を抱えています。なぜなら、その手前の本部長や部長クラスの女性×中間管理職の層がまだまだ薄い。登用するにも相当にストレッチが必要。また、「常勤の取締役となると、男性主体の中ではどうしても遠慮がちになり、議論が活発化しづらい」とのこと。「社外取締役という立場で、遠慮なく率直な意見をぶつけてほしい」と、外部からの招へいに動いているというわけです。
しかし、該当する人材はごくわずか。よって、特定の方にアサインが集中することも。非常に希少価値がある存在であり、ご本人にとっては選択肢が多彩と言えます。
このように、マネジメントを経験した女性たちのキャリアの広がり方を目にしていると、今、昇格・昇進を迷っている人はぜひ一歩を踏み出していただきたいと思うのです。
コロナ禍を機に、自身のワークスタイル、ライフスタイルを見つめ直す人が増えています。「いずれはフリーランスになり、ワークライフバランスを重視して働きたい」「地方に移住して、リモートワークを中心に働きたい」など。「子どもが成長したら、離婚して自由に生きたい」なんて声も聞かれます。
離婚しなくても、夫の収入が激減する可能性もありますし、「人生100年時代」において女性のほうが平均寿命が長い。将来、ライフスタイルを自由に選択できる自分であるためにも、どこかでアクセルをぐっと踏み込んで実績を作り、「稼ぐ力」を付けておくことは大切です。ぜひ「チャレンジ」を意識してみてください。
※「次世代リーダーの転職学」は金曜掲載です。この連載は3人が交代で執筆します。
