60代シニアのやる気をUP 決め手は働きぶりの評価

明治安田生命保険は58歳の社員を対象にキャリア研修を開催している(2017年の研修)
明治安田生命保険は58歳の社員を対象にキャリア研修を開催している(2017年の研修)

人生100年時代に備え、70歳までの就業機会の確保が来年4月から企業の努力義務になります。現行65歳まで雇い続ける義務がありますが、さらに70歳になるまで働き続けられる配慮を企業に求めます。経験豊富なシニアは貴重な戦力である一方、緊張の糸が切れた無気力シニアの扱いに戸惑う職場も増えています。どうすれば60歳以降もモチベーション高く働いてもらえるか。企業も対策に本腰を入れています。

大日本印刷は2021年度に60~65歳の選択定年制を導入します。65歳を上限にいつ定年するかを社員が選べる制度です。現在の定年は60歳で、定年後65歳まで再雇用する仕組みはあります。ただ再雇用後は現役時代と仕事内容が変わり、給与も激減します。正社員として働ける期間を延ばして、60歳以降のやる気を刺激する狙いです。

19年4月に定年の年齢を60歳から65歳に引き上げた明治安田生命保険はシニア社員の意識改革に力を入れます。毎年58歳社員を対象に研修を実施。キャリアを振り返るとともに新たな目標を設定させ、挑戦を促します。60歳以降でも管理職に昇格できるように人事制度も見直しました。「あきらめていた管理職に挑戦し、実際に昇格した60代社員もいます」(広報部)

働く意欲が高いシニアと低いシニア。何が両者を分けるのでしょうか。

一般財団法人企業活力研究所は19年12月、50~64歳の会社員1024人を対象にした意識調査を実施しました。分かったのは、50代までに獲得したスキルと60歳以降の担当業務の関係です。スキルを100%生かせる仕事を任されている60代の68%は「意欲的に働いている」と回答し、「意欲的に働いていない」12%を大きく上回りました。スキルが生かせる度合いが下がるほど「意欲的に働いている」比率は下がり、「60%程度」を境に「意欲的に働いていない」が多数派になります。

日本では60歳定年が主流です。多くの企業は定年後に再雇用の道を整えています。ただ雇用形態が切り替わると同時に、仕事内容も見直されるのが一般的です。シニア活用の第一歩は、スキルを生かせる仕事を割り振ることにありそうです。

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