Web会議で見栄えがいいのは 外付けカメラ4製品比較

仕事で使用しているパソコンにウェブカメラが付いていなかったり、あるいは付いていても解像度が低かったりと悩んでいる人もいるだろう。テレワークが長期化する中、オンラインでの打ち合わせや会議で「見栄え」を少しでも良くしたければ、外付けのウェブカメラは必須だ。そこで解像度が「フルHD(1920×1080ドット)」以上のウェブカメラ4モデルを比較した。

実際の家庭を想定したやや暗めの環境で、オンライン会議や画質を検証してみたところ、最も解像感が高かったのは「Logicool StreamCam C980」(ロジクール)だった。髪の毛やまぶたなど、カメラに映った人物の顔の細かい部分まで描写できており、立体感はまずまず。視野角が78°と広く、手先を入れてのジェスチャーなどが伝わりやすい。家族での「オンライン帰省」など複数人を映す用途にも向いていそうだ。

●サイズ(幅×高さ×奥行き)/58×85×48ミリ●重さ/222グラム●ケーブル長/1.5メートル●最大解像度/1920×1080ドット●最大フレームレート/60fps(1920×1080ドット)
解像感で続くのは「ASUS ROG Eye」(ASUS JAPAN)だ。C980には及ばないが精細感のある画質で、逆光の環境には最も強かった。色調はやや赤みがかっており、視野角も狭いが、自動認識した人物の顔部分を破綻のない範囲で明るく描写できていた。

●サイズ(幅×高さ×奥行き)/81×16.6×28.8ミリ ●重さ/118グラム●ケーブル長/2メートル●最大解像度/1920×1080ドット●最大フレームレート/60fps(1920×1080ドット)※視野角は実測値
スペック上は3264×2448ドットの最大解像度(動画)をうたうが、画質は標準的だったのが「UCAM-C980FBBK」(エレコム)。オートフォーカス機能が無いためか他よりも精細感がやや欠ける印象だった。

●サイズ(幅×高さ×奥行き)/88×46.5×62.6ミリ●重さ/78グラム●ケーブル長/1.5メートル●最大解像度/3264×2448●最大フレームレート/30fps(1600×1200ドット)
ロジクールの「C922n」は視野角や色調は同社のC980とほぼ同じだが、解像感ではROG Eyeに一歩譲る。なお、オンライン会議システムの多くは解像度が1920×1080ドット以下なので、静止画をよく撮影するのでもない限りスペック上の画素数や解像度を過度に気にする必要はない。

●サイズ(幅×高さ×奥行き)/95×44×71ミリ●重さ/162グラム●ケーブル長/1.5メートル●最大解像度/1920×1080ドット●最大フレームレート/60fps(1280×720ドット)
次に重要なのが設置のしやすさだ。しっかりとしたスタンドで、平面でもディスプレーの上でも安定して設置できたのはロジクールの2機種。ウェブカメラを多く扱うメーカーだけあって使いやすい。C980FBBKとROG Eyeは軽いためかディスプレイの上に安定して設置させるには慣れが必要だった。
今回紹介した4モデルともステレオマイクを内蔵しているが「特にオンライン会議での利用では音質に大きな差はなかった」(AV評論家の折原一也氏)。環境音を低減させるノイズリダクション機能や音の広がり方などに多少の個性はあるものの、製品選びを左右するほどの違いではない印象だ。
総合的に見ると高画質で取り回しやすいC980が最も優れている。左右の首振りや縦向き撮影など、他にはない機能が多いのも魅力だ。モバイルでの利用を考えると軽量で持ち運びやすいROG Eyeも候補になる。
(日経トレンディ 佐々木淳之)
[日経トレンディ2020年10月号の記事を再構成]
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