図で考える思考法 ビジネスの武器にする使い方を説く八重洲ブックセンター本店

2階ビジネス書売り場エスカレーター前の面陳列棚に2列に並べて展示する(八重洲ブックセンター本店)
2階ビジネス書売り場エスカレーター前の面陳列棚に2列に並べて展示する(八重洲ブックセンター本店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。目立った売れ筋は出ていないが、ビジネス書を含む法経書全体でみると、法律の本や実務書、資格取得の教科書などが幅広く売れて、売り上げを下支えしている。そんな中、書店員が注目するのは、ビジネスでは図で考えることが大きな武器になると説く元戦略コンサルタントの一冊だった。

その本は平井孝志『武器としての図で考える習慣』(東洋経済新報社)。著者の平井氏は現在、筑波大大学院ビジネスサイエンス系教授として経営戦略論を教える。ベイン・アンド・カンパニーやローランド・ベルガーで長く戦略コンサルタントとして数々の事業戦略や新規事業開発を手がけてきた、いわばビジネスを考えるプロだ。その著者が「図で考える」メソッドを整理し、紹介したのが本書だ。副題に「『抽象化思考』のレッスン」とある。

パワポではなく紙とペン1本で

「図で考える」と言われると、多くのビジネスパーソンがすぐ思い浮かべるのは、プレゼンテーションソフトのパワーポイントだろう。だが著者は、「パワーポイントには思考の流れを阻害する要因が潜んでいる」という。「画面の上の様々なコマンドボタンと図の往復作業で思考が寸断され、図形やフォントの選択で迷い、思考が途切れがちになります」と指摘する。「図で考える」とは、「手で考える作業であり、自分自身との対話」。「目の前の紙から意識がそれるのはダメで、図と思考をシームレスに、かつ瞬時に切り替えられる利便性があるべき」なのだ。それゆえ必要な道具は、紙1枚とペン1本と言い切る。

全体は大きく2部で構成され、前半では「なぜ図を使うと考えが深まるか」を解き明かし、基礎的な図の書き方を紹介する。後半は実践編として図を書く上で役立つ4つの型を提示、思考の切り口に応じた型の使い方などを自らの経験や実際的なビジネス事例に基づいて解説していく。

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