国境なき医師団・久留宮氏 旭丘高で受験より自由満喫久留宮隆・国境なき医師団 日本会長(上)

久留宮隆・国境なき医師団 日本会長
久留宮隆・国境なき医師団 日本会長

国際的な医療・人道支援を行う民間の非政府組織(NGO)「国境なき医師団(MSF) 日本」会長に2020年3月に就任した医師の久留宮隆氏。新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、アフリカやアジアなど途上国中心の医療・人道支援にも暗雲が垂れこめる。久留宮氏は名古屋市の公立トップ、愛知県立旭丘高校の出身。自らの命をかけ、過酷な現場に挑む志を養った。

(下)国境なき医師団で闘う久留宮氏 旭丘高で培った行動力 >>

高校入学に前後する時期、北海道の無医村で医療活動に従事する医師のテレビドキュメンタリーを見た。

将来は医者になろうと心に決めたのは旭丘に入学する前後の頃だったと思います。身内の不幸から中学時代に医学を目指そうという気持ちはあったのですが、それを決定づけたのは、この番組をテレビで見て感銘したからです。たった1人の医師が村の人々に寄り添いながら、治療にあたっていた。それを見て、当時は「無医村で医者をやりたい」と純粋にそう思いました。

旭丘には2歳上の兄が通っており、中学生の時に文化祭に行ったときに、様々な社会問題をテーマとした映画を上映したり、それらの問題に対して真摯な討論会をしたりするのがすごく大人びて見えました。生徒がすべての企画、運営を担っていて、その自由で自立を重んじる校風にひかれ、進学を決めました。

同校のすぐ近くに東海という名門私立中学・高校があります。医学部受験では全国トップクラスの実績を誇る進学校ですが、先生の指導は少し厳しそうでした。うちの家庭には経済的に余裕がなく、3人兄弟だったので親から「私立はダメ、大学まで国公立しか行かせられない」といわれていたので、私には縁のない学校でした。

名古屋では旭丘と東海は何かと比較され、ライバル関係にありますが、校風がかなり違います。旭丘は自由闊達、生徒を抑えないという学校です。自分で考え、行動してその結果責任もとれという考え。その校風をつくったのは前身の愛知一中時代の日比野寛校長といわれます。日本の教育界にマラソンを普及したことで知られています。

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