家全壊、公的支援最大300万円 自然災害は保険でもいまさら聞けない大人のマネーレッスン

2020/8/31

災害保険を選ぶポイントは

このように、住宅が大きな被害を受けた場合、公的な支援だけで修理や再建をすることは難しいでしょう。そこで検討したいのが、損害保険会社が販売している災害保険への加入です。

先述しましたが、持ち家であれば住宅ローンを組む際に火災保険に加入しているでしょう。少し前のデータになりますが、内閣府の資料によると(※)、12年時点で約8割の世帯が火災保険などに加入していました。

注意したいのが、ローン完済後に契約が切れたままになっているといったケースです。たとえ、ローンの返済が終わっていたり、建物が古くなっていたとしても、被害を受けた際にかかる修理や再建の費用に変わりはありません。火災保険に加入しておきましょう。

悩ましいのが、補償の範囲です。現在販売されている火災保険は、多くの場合、自分でその補償範囲を決めることができます。

また、火災保険は建物だけでなく、家具や家電などの「家財」も補償の対象とすることができます。

補償範囲は幅広くカバーするに越したことはありませんが、その分、保険料は高くなってしまいます。月々支払う保険料と補償内容のバランスを考えて、加入を検討する必要があります。先述したハザードマップを活用して、リスクの高い災害をカバーするのもよいでしょう。

家を買って間もない人は、ローンが残っており、頭金の支払いなどで貯蓄も少なくなっているケースが多いと考えられます。無理のない範囲で、建物の補償は優先的に確保しておくと安心です。

少し話がそれますが、「地震・噴火またはこれらによる津波」による損害は、火災保険の補償の対象外です。地震に備える際は、地震保険に加入する必要があります。地震保険は単独では加入することができず、火災保険とセットで契約します。

(※)内閣府 「災害に係る民間保険・共済の現状・課題等について」
http://www.bousai.go.jp/kaigirep/kentokai/hisaishashien2/pdf/dai6kai/siryo5.pdf

保険料の値上げは長期契約で割安になる可能性も

その火災保険の保険料ですが、自然災害の発生が増え、保険金の支払いが増えたことで、保険料金も年々上昇しています。

18年度の保険金の支払額は過去最大の1.5兆円超に膨らんでいるとのこと(「水災補償、値上げに備え 想定被害確認し特約も吟味」)。今後も保険料は引き上げられる可能性があります。

ただ、保険料の引き上げにはタイムラグがあり、18年度の支払いを反映するのは、21年1月以降。早めに契約をし直せば、値上げの影響を避けられるかもしれません。

火災保険の保険期間については、多くの場合、1年~最長10年の間で設定することができます。中には、保険期間を長く設定すればするほど、保険料の割引を受けられる保険もあります。

加えて、「年払い」や「長期一括払い」など、まとめて保険料を支払う方法を選べば、さらに保険料の割引を受けられる商品もあります。

一時的な出費が大きくなりますが、トータルで考えるとおトクです。こちらも無理のない範囲で検討するとよいでしょう。

井戸美枝
ファイナンシャルプランナー(CFP)、社会保険労務士。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門にし、解説している。社会保障審議会企業年金・個人年金部会委員。確定拠出年金の運用に関する専門委員会委員。経済エッセイストとして活動。近著に「一般論はもういいので、私の老後のお金『答え』をください! 」(日経BP)、「身近な人が元気なうちに話しておきたいお金のこと介護のこと」(東洋経済新報社)、「100歳までお金に苦労しない定年夫婦になる!」(集英社)、「届け出だけでもらえるお金」(プレジデント社)、「受給額が増える!書き込み式得する年金ドリル」(宝島社)など。
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