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トヨタウェイは世界を変えたか

2020/8/24

トヨタウェイは世界を変えたか

佐藤 トヨタ生産方式はラグナサンさんの考え方にどのような影響を与えましたか。

ラグナサン とてつもなく大きな影響を受けました。これまで大学院や生産現場でトヨタ生産方式を学び、実践してきたことで、常に「これは本当に顧客に価値を与えるか」と考えるようになり、「どういう仕事が顧客に価値を与え、どういう仕事が与えないのか」を区別できるようになりました。「トヨタ生産方式」は「生産方式」という名前で呼ばれているため、生産現場のみで適用される方式だと思われていますが、その背景にある考え方は製造だけではなく、サービスや他のビジネスでも活用できると実感しています。

トヨタ生産方式は私の日常生活にも影響を与えました。たとえば私は日々の生活でも5Sを実践しています。5Sは仕事の現場に限らず、あらゆる場において実践できるものです。

エンジニアの人生をよりよくする

佐藤 トヨタ生産方式はどのように世界の人々に役に立っていると思いますか。

ラグナサン 私は製造業の出身なので、製造業の人々にどのように役立っているかについてお答えしたいと思います。トヨタ生産方式は世界の生産現場に秩序をもたらしたと思います。トヨタ生産方式をオペレーションの基本にすれば、すべての仕事を構造化し、標準化することができるからです。

工場に行けば、確固たる生産システムがあり、物と情報の流れがあります。秩序だった組織の中で、作業員、エンジニア、マネジャーなど、誰もがそれぞれの役割を無駄なく果たしていくことができます。そしてその最終ゴールは顧客に価値を与えることです。トヨタ生産方式は製造業で働く人たちの生活を、より幸せで、かつ充実したものにすることに貢献してきたと思います。カオスや混沌とした状況の中では人々は生産的な仕事ができないからです。

トヨタ生産方式は、世界の生産現場のエンジニアが最初に学ぶべき基本です。インドの会社でも、アメリカの大学でも、どこでもトヨタ生産方式が基本として教えられています。それは国境を超え、文化の違いを超え、業種の違いを超え、世界中に大きな価値をもたらしています。私をふくめ、世界のエンジニアの人生をよりよくすることに貢献してれたトヨタ自動車には感謝の気持ちでいっぱいです。

※本記事に登場する学生のコメントは、個人の意見を反映したものであり、ハーバード大学及びハーバード大学経営大学院の見解を示すものではありません。

アディ・ラグナサン Adi Raghunathan
 2012年インドSRM大学卒業後、ジョン・ディア・インディア入社。15年米ミシガン大学大学院修了。16年テスラ入社。エンジニアチームのリーダーとして活躍。19年ハーバードビジネススクール入学。21年MBA取得予定。

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