縦長シルエットを意識して、ジェンダーレスなムードに

花柄のボウタイブラウスがあでやかさを際立たせて

性別にとらわれない「ジェンダーレス」は、さらに勢いが増しそうです。伝統的な紳士スーツに代表されるメンズ服を借り受けたかのような着方から進んで、もっとこなれた装いが支持を広げる気配。ムードはクールでありつつ、どこかセンシュアル(官能的)に。シルエットはシャープでありながらも、たおやかさを宿すといったダブルミーニングの重層的スタイリングが新しい着映えに見せてくれます。

冷ややかな質感のレザーは次のトレンド素材に位置づけられています。「rag & bone(ラグ& ボーン)」が提案するのは、不安が高まる時代にふさわしい「強め」の装い。レザーコートに象徴される、身を守ってくれそうな「タフアウター」をまとうのも、今の時代感を映し出しています。ボトムスはインディゴカラーの濃いデニムパンツで合わせて、ボーイッシュな風情にまとめています。

ショルダーバッグを長めに斜め掛けして落ち感を増幅

体の線を拾いすぎないニット仕立ての服は、中性的な雰囲気を引き出す点で、ジェンダーレスのトレンドになじみます。膝まで届く、ニットのワンピースはジョガーパンツに重ねて、縦長シルエットを組み立てました。パンツの裾はブーツに収めて、さらにスレンダーな見え具合に。首元のスカーフと片耳のイヤリングが揺れて、顔周りにフェミニンな空気が濃くなりました。

(画像協力)
ラグ & ボーン  https://rag-bone.co.jp/

2020-21年秋冬の装いは、クラシックを軸に、華やぎやジェンダーレスなどを混ぜ込むテイストミックスが盛り上がりそうです。気分の晴れない状況が続いていますが、ちょっとした特別感や遊び心を加えることによって、自分らしいアレンジが可能になり、気持ちにもメリハリが出てきます。やや古風でありつつ、新しさも感じさせる「新旧ミックス」の着こなしは、おしゃれの楽しさを再発見するきっかけにもなりそうです。

宮田理江
ファッションジャーナリスト、ファッションディレクター。多彩なメディアでランウェイリポートからトレンド情報、スタイリング指南などを発信。バイヤー、プレスなど業界経験を生かした、「買う側・着る側の気持ち」に目配りした解説が好評。自らのテレビ通販ブランドもプロデュース。セミナーやイベント出演も多い。 著書に「おしゃれの近道」「もっとおしゃれの近道」(ともに、学研パブリッシング)がある。