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熱中症はコロナと似た症状 脱水を避けマスクも着脱を

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

世界中で新型コロナウイルス感染症が広まっている。自分や家族の命と健康を守るためには、感染対策はとても重要だ。しかし、新型コロナを恐れるあまり他の病気にかかってしまっては意味がない。熱中症は非常に危険な病気だが、今年は特に新型コロナの影響で、より危険が高まっているという。なぜ、熱中症への警戒が必要なのか、どうすれば防げるのか。熱中症と熱中症の原因ともなる脱水の危険について警鐘を鳴らす「教えて!『かくれ脱水』委員会」の副委員長を務める済生会横浜市東部病院患者支援センター長兼栄養部部長の谷口英喜医師に話を伺った。

熱中症は一刻を争う

「熱中症と新型コロナの症状は、共通するものが多いんです。全身倦怠(けんたい)感、頭痛。吐き気や食欲がないといった消化器症状。筋肉痛、関節痛、発熱。これらの症状は、すべて新型コロナと熱中症で共通して起こります。新型コロナに特徴的だと話題の味覚異常も、熱中症でも起こりますよ」と谷口さんは言う。医師でも、症状だけで見分けるのは難しいそうだ。

問題は、熱中症は一刻を争う病気だということだ。

「熱中症は、ほうっておくとその日のうちに死に至る病です。急に重症化するという点では、実はコロナよりも熱中症のほうが怖いんです。ですから、もし上記のような症状が出たら、まず熱中症を疑ってください」(谷口さん)

熱中症の主な原因は、暑熱環境と脱水だ。脱水状態で暑熱環境が加わると熱中症になりやすくなる。人間の身体の約6割は水分と塩分(電解質)からなる体液でできている。脱水とはこの体液が不足した状態なので、改善するには水分と塩分の両方を補う必要がある。経口補水液は、水分と塩分に一定量の糖分を加え、素早く吸収できるように濃度が調整されている。ドラッグストアなどで購入できるので、一分一秒を争うときのため冷蔵庫に1、2本入れておくと心強い。

「経口補水液を飲んで症状がおさまるようならば脱水症を伴った熱中症の可能性が高く、そのくらいのレベルなら病院に行く必要はありません。もし新型コロナやインフルエンザのような感染症だったとしても、経口補水液を飲んで汗をかけば、熱を下げられます。いったん熱が下がっても、しばらくしてまた熱が上がってくるようなら、新型コロナを疑ってください」(谷口さん)

小さい子どもにマスクはリスク。運動時は、素材を選んで

ところで、いまや外出時の必須アイテムとはいえ、マスクをすると暑苦しい季節になってきた。マスクが熱中症の原因になることは、あるのだろうか。

「大人の場合は、マスクをしているだけで熱中症になることはないと思います」と谷口さんは言う。ただ、マスクをつけると吐く息の熱がこもりやすい、喉の渇きを感じにくい、水分補給できない(マスクを外して水分を取ることを遠慮してしまう)などの理由で、脱水になる可能性がある。特に高齢者は脱水になりやすいので、意識してマスクをはずして定期的に水分をとろう。

小さい子どもは、マスクで熱中症のリスクが高まる可能性がある。大人は汗をかくことで体温調節できるが、子どもは汗腺があまり発達していないため、呼吸で体温調節をする。マスクで口の中に熱がこもると体温が下げられず、熱中症になりやすいのだ。マスクで呼吸がしにくくなるため、より重症化する可能性もある。

「小学校入学以前の乳幼児には、基本的にマスクをさせないでください。人混みの中などやむを得ない場合でも、できるだけつけている時間を短くしましょう。小学生くらいになればある程度自分で判断ができるので、状況によってつけはずしをするように指導するといいでしょう。基本的に人と距離をとっているとき、話をしないときは、マスクをはずしてかまいません。また、運動をするときや暑いところでは、はずしましょう。地域によっては小学校でも体育の授業はマスクをつけなくていいことになっています。登下校のときも、話をせず、十分な間隔を空けるのであれば、マスクをとっていいでしょう」(谷口さん)

大人はマスクだけで熱中症にはならないということだが、ジョギングなどスポーツをするときは、どうだろう。

「マスクをつけて運動をするのは、大人にとってもリスクがあります。基本的に、運動するときにはマスクはつけないほうがいいですね」と谷口さんは勧める。「ただし、周囲に人がいるときは、マナーとして何か口を覆うようなものをつけたほうがよいでしょう。医療従事者が使う不織布マスクは熱がこもりやすいので、メッシュ素材や冷感素材の布製のものがお薦めです。飛沫を防げればよいので、タオルやバンダナを口の周りにまく程度でもいいと思います」

自粛生活で、暑さに弱くなっている

今年は新型コロナの外出自粛による影響もある。4月に緊急事態宣言が出て、数カ月間、ほとんど外出しない生活を送ってきた人は外の暑さになれておらず、汗をかきにくくなっているだろう。

運動不足で筋力が衰えているのも、実は熱中症に影響する。体の中の水分は、主に筋肉に蓄えられる。運動不足で筋肉量が減れば、それだけ水分をためにくい体になっている。

「私たちの病院を受診する患者さんでも、長引くテレワークや外出自粛で体力が落ちてしまった人が目立っています。体を暑さにならすためにも、ウオーキングなどの運動をお勧めしています」と谷口さんは言う。

新型コロナが心配といっても、周囲に人がいない場所なら外に出ても大丈夫だし、マスクをする必要はない。緊急事態宣言中も、ジョギングやウオーキングは自粛の対象にはなっていなかった。しばらく運動していない場合は、無理をせず、涼しい時間帯に10分くらいのウオーキングからでも始めるのがいいだろう。

「高齢で外出が難しい方には、家の中で座っている時間をちょっと短くするように意識することを勧めています。ちょっと立ち上がって家事をするだけでも、かなり違いますよ」(谷口さん)

水分補給は、時間を決めて定期的に

最後に、脱水と熱中症を防ぐための水分補給のコツを聞いておこう。

「予防のために普段行う水分補給と、熱中症になったときの治療のための水分補給を、分けて考える必要があります」と谷口さんはアドバイスする。

先に説明したように、脱水を防ぐためには水分と塩分(電解質)の両方を補給する必要がある。ただ、日常の食事には多くの塩分が含まれているので、普通に食事がとれているとき、脱水予防のための水分補給は、水やお茶で十分だ。

「高齢者は脱水になりやすく、喉が渇く感覚が鈍っているので、渇くのを待ってから飲むのでは手遅れです。薬のように時間を決めて定期的に水分補給をしてください。コップ1杯程度の水分を1日8回くらいが目安です」と、谷口さん。

食事から摂取する水分は意外に多いため、夏バテなどで食事量が減ったときは、脱水を起こしやすい。食事がとれていない場合は塩分も不足するので、水分と塩分を含んだ食べ物(梅干しや塩あめなど)を一緒にとるか、スポーツドリンクや経口補水液で補給しよう。

「夏バテなどで食事の量が少なくなっていても意外に自分では気付きません。体調コントロールのためには、毎日決まった時間に体重を量ることをお勧めします。食事量が減ると体重ががくんと減るので、すぐにわかります」と、谷口さん。

「治療のための水分補給は、経口補水液が一番です。熱中症かもしれないと思ったら、すぐに経口補水液を飲んでください。500ミリリットルのボトルを1本飲んで症状がおさまるようなら、病院に行く必要はないでしょう。でも、もし意識が混濁したりしてきたら、すぐに救急車を呼んでください」(谷口さん)

これまで脱水を防ぐことを中心に紹介してきたが、熱中症の基本対策としては、エアコンや扇風機をしっかり使って環境を整えることも大切だ。家の中にいても熱中症にかかることは多い。涼しい日が続いた後には、それほど暑くなくても熱中症になりやすいので注意が必要だ。

新型コロナに気を取られているうちに熱中症で命を落としてはたまらない。この夏は、熱中症対策にも十分気をつけよう。

(文 梅方久仁子)

谷口英喜さん
済生会横浜市東部病院(横浜市鶴見区)患者支援センター長兼栄養部部長。1991年福島県立医科大学医学部卒業。横浜市立大学附属病院集中医療部、神奈川県立がんセンター麻酔科などを経て現職。専門は、経口補水療法、臨床栄養、周術期栄養・栄養管理など。深刻な脱水の一歩手前である「かくれ脱水」への正しい対処法を広く伝えることを目的に「教えて!『かくれ脱水』委員会」を立ち上げ、副委員長として啓発活動に尽力している。

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