ATMでの「密」も避ける おトクなネットバンキングコロナの先の家計シナリオ ファイナンシャルプランナー 浅田里花

2020/8/4

ネットバンキングではパソコンやスマートフォンを使って、振り込み・振り替え、残高照会、入出金明細照会、定期預金・外貨預金・投資信託など金融商品の購入・解約、カードローン、住所変更手続きなど、銀行が手掛けるほとんどのサービスが24時間365日利用できます(一部のサービスを停止する時間帯がある場合もあります)。取引銀行のサービス内容を確認してみましょう。

銀行が手掛けるほとんどのサービスが24時間365日利用できる

利用開始の手続きもネットで

ネットバンキングを始めるには店舗でも申し込めますが、「密」を避けるために出向かなくて済むよう、銀行のホームページ(HP)から手続きするとよいでしょう。新規の申し込みにあたって必ず求められるのは、ログインする際のパスワードの設定です。すでにほとんどの人が、様々なサイトやアプリでパスワードを設定していることと思います。第三者による不正ログインを防ぐために類推されにくく、しかも自分でも忘れないパスワードを工夫するには苦慮するところです。

セキュリティー対策の基本は、ログインパスワードや暗証番号の管理です。誰でも見られる状態でメモを残すことは絶対に避け、メモするにしても一部は伏せ字にするなど工夫し、保管場所にも留意しましょう。

筆者も自分だけがわかる一定の法則で設定し、同じパスワードの使い回しを避けていますが、特にネットバンキングなどお金が動くサイトは慎重に設定しています。

パソコンやスマホに必ずウイルス対策

ログインパスワードの設定といった煩わしさと、ネットを介してお金を動かすことへの不安がネットバンキングへの抵抗感になるのかもしれません。しかし、ATMコーナーで「密」になることのほうが不安ではないでしょうか。セキュリティー対策さえしっかり取っていれば、不正送金への補償もあるので、まずは一歩踏み出してみることです。

そして、パソコンやスマホには必ずウイルス対策ソフトをインストールしておき、常に最新の状態にアップデートすることです。ネットバンキング専用のウイルス対策ソフトを用意している銀行も少なくありません。両方をインストールしておくと、さらにセキュリティーの強度が高まります。

ウイルス対策ソフトは、すべてではないものの「フィッシング」目的の迷惑メールをブロックしてくれます。フィッシングでは、偽のメールで正規のサイトそっくりに偽造した偽サイトに誘導するなどの手口で個人情報を盗もうとします。取引銀行をかたったメールだとだまされるかもしれず、ログインパスワードなどを盗まれれば、不正にログインされてしまいます。

不正送金、過失がなければ全額補償

仮に不正ログインされても、振り込み手続きには「ワンタイムパスワード」を導入している銀行が多いため、不正送金される可能性は限りなく低いといえるでしょう。ワンタイムパスワードは1回限りの使い捨てパスワードで、スマホアプリや専用のカードなどを介して表示される安全性の高いものです。

万一、不正送金被害にあった場合、銀行に30日以内に申し出るなどの要件をクリアしていることを前提に、過失がなければ全額補償してもらえます(年間の上限額が決められている銀行もあります)。

その際、ウイルス対策ソフトを使っていないなど個人で対処すべきセキュリティー対策が不十分だと、過失があったとして補償の減額対象になる場合もあります。取引銀行のHPでよく確認しておきましょう。

浅田里花
ファイナンシャルプランナー。株式会社生活設計塾クルー取締役、東洋大学社会学部非常勤講師。大手証券会社、FP会社に勤務後、1993年に独立。現在はFPサービスを行う生活設計塾クルーのメンバーとして、コンサルティング業務のほか、執筆・講演活動を行う。著書に『災害時絶対に知っておくべき「お金」と「保険」の知識』(共著 ダイヤモンド社)など。

「ニューノーマル」「新常態」とも呼ばれる新しい生活様式が広がりつつあります。コロナで一変した家計の収入や支出、それに伴うお金のやりくりをどうすればよいかも喫緊の課題です。連載「コロナの先の家計シナリオ」は専門家がコロナ後のお金にまつわる動向を先読みし、ヒントを与えます。

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