手付かずの自然を体験できる カリブ海の小さな島国

日経ナショナル ジオグラフィック社

ナショナルジオグラフィック日本版

マッコウクジラはドミニカの住民だ。そばを泳ぐこともできるが、ツアー会社は少数の認可制で、厳格な動物福祉のルールが課されている(PHOTOGRAPH BY FRANCO BANFI, WWW.WILDLIFEPHOTOTOURS.CH, PICTURE TAKEN UNDER LICENSE N. RP 17 - 01/02 FIS-4)

カリブ海の島国ドミニカ(ドミニカ共和国とは別)を訪れた人は、自然の中で1日を過ごすことになる。熱帯雨林が広がる山地、黒い砂のビーチ、ドラマティックな水中世界。仏領のグアドループとマルティニークに挟まれたこの島国が今、世界でも指折りのエコな旅先として注目を集めている。

カリブ海の典型的なリゾート・アイランドを思い浮かべてはいけない。ドミニカは、開発が進んだ周囲の島々とは一線を画している。マッコウクジラとのシュノーケリングなど、一部の体験は意図的に縮小されている。動物福祉の観点から、ワイルドライフ・フォト・ツアーズをはじめとする少数のツアー会社のみに認可を与え、厳格なルールを課している。

ドミニカは、2017年のハリケーン「マリア」の被害から驚異的な復興を遂げた。そして今、外来魚捕りや沸騰湖トレッキング、キャニオニングなど、日常では味わえない体験を提供している。

それでは、手付かずの自然が広がるドミニカの楽しみ方を紹介しよう。

「沸騰する湖」までトレッキング

ドミニカの山地には、数え切れないほどの小道が縦横無尽に走る。断崖から黒い砂浜を見下ろせる道もあれば、うっそうとしたジャングルを蛇行しながら進む道もある。美しい滝つぼ「エメラルド・プール」に続く道や、野鳥と出合える「シンジケート・ネイチャー・トレイル」、カリブ最長の約185キロにわたる「ワイトゥクブリ・ナショナル・トレイル」も魅力的だ。

しかし、ドミニカへ行ったらぜひ訪れたいのは、熱帯雨林の奥深くに隠された沸騰する湖「ボイリング・レイク」だ。モルヌ・トロワ・ピトン国立公園を6時間歩けば、蒸気が噴出する穴、泥水の泉、荒廃の谷として知られる硫黄泉など、見たこともない景色に出合える。

ユネスコの世界遺産に登録されているモルヌ・トロワ・ピトン国立公園の小道を歩き、ボイリング・レイクを目指すハイカー(PHOTOGRAPH BY HEMIS, ALAMY STOCK PHOTO)
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