雨・風・日差しもこれ1本 ビジネス用折り畳み傘3選
雨の降り方は様々だ。傘を持たずに出かけた際のにわか雨に泣かされ、風をともなう雨では、傘の骨が折れたり、傘が風にあおられたりして、洋服や手荷物がずぶぬれになってがっくり肩を落とす。一転、青空が広がれば、一気に夏の日差しが強まり暑さにとまどう。そこで最近、各メーカーは安い軽い小さいだけではない、雨、風、そして日差しにも対応できる折り畳み傘を出してきている。ビジネスグッズを数多く取材している納富廉邦氏が、実際に使ってみて便利だったという最新の折り畳み傘を3点、紹介する。
日傘としても使えて風にも強い
世界で初めて折り畳み傘を販売し、ドイツでは折り畳み傘の代名詞にもなっているクニルプス。もともとクニルプスの傘は、ほとんどがUVカット機能を持っていて、日傘としても使えたが、今回、それに加えて、遮光、遮熱の機能も備え、しかもビジネス向きのデザインに仕立てた「T.220RS」(8500円・税別、以下同)を発売した。これが、使ってみると手放せない逸品なのだ。
クニルプスの折り畳み傘は、メインの骨にはグラスファイバーを使い、風にも強く撥水(はっすい)機能も優れ、しかもワンタッチで開閉する、とても完成度の高い製品だ。さらに今回は、雨や風に対する機能やコンパクトさ、開いたときの大きさなど傘としての機能はそのままに、日傘としての機能を強化してきた。これが明らかに、体感温度が変わるほどの性能だった。色はシックなソリッドブルーと爽やかなストライプ。より風に強く、耐久性のある「T.220RS」のような8本骨のタイプは少し重くて畳んだときに太く感じるという人には、6本骨の「TS.220RS」(7000円)も用意されている。強風地域で使うことが少なければ、こちらも良い選択肢だ。
軽くてスマートな形状で持ち歩きやすい
ロフト(LOFT)限定で販売されている「MEetTE(メッテ)」は、機能性とエレガントさを両立させた、大人の折り畳み傘だ。福井の繊維工場で織られたという傘の布地が良い。しっとりとしてしなやかな風合いで、「いかにも傘っぽい」という外見ではない。折り畳み傘にありがちな、ぼってりとした外観や重さがなく、とても軽やかに使える。UVカット99%で、日傘としても使用できる。
骨はグラスファイバー製の6本骨で、布地の軽やかさと合わせて、畳んだときにとてもスリムになる。折り畳み傘には珍しい、削り出しのアルミニウムに染色加工を施した、持ち心地の良いグリップを採用。このグリップは、ネジが汎用のサイズなので他の折り畳み傘にも使い回せる仕様になっている。このアイデアは珍しいと思う。箱に入っていてギフトにも使えるなど、今までの傘になかった発想が満載されていて、6500円という価格は、手ごろといえるだろう。
実用性と携帯性のバランスが取れている
小型軽量タイプの折り畳み傘では、ハイマウント(東京・中央)の傘ブランド「HUS.」の、「Carbon E Parasol50」が実用性と携帯性のバランスが取れている。収納時の長さは24センチで重さは約140グラム。小型軽量で、カーボン製の6本の骨はしなやか。ビニール傘では味わえない耐風性能がある。しかも、UVカット、遮光、遮熱の機能を持っていて、日傘としての性能も高い。実際使っていると、クニルプスほどの遮熱効果は無いにしても、十分涼しく歩ける。
開いた時の直径が約88センチと、少し小振りなので、雨傘としても日傘としても、風向きや太陽の方向などに合わせてささないと、ややぬれたり焼けたりする部分もある。しかし緊急退避用として、この大きさと軽さで、この機能と丈夫さなら十分実用的なレベルだ。ペンケースタイプのケースも、ぬれた傘の収納に対応してよくできている。ツートンカラーのカラーバリエーションも良いデザイン。日常の常備傘として持っていると安心だ。
佐賀県出身、フリーライター。IT、伝統芸能、文房具、筆記具、革小物などの装身具、かばんや家電、飲食など、娯楽とモノを中心に執筆。「大人のカバンの中身講座」「やかんの本」など著書多数。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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