就職先選び「在宅勤務OK」重視 女子大生1000人調査

2020/7/28

出産後も一家の「大黒柱」に

仕事と家庭の理想のバランスを聞いた設問の回答でも、危機意識の高まりが見えた。「育児中もパートナーと同様に働く」を選んだ割合は、コロナ後は2.7ポイント増。コロナ前は控えめな「育児中もパートなどで働く」が0.4ポイント上回っていたが、これを逆転して最も選ばれていた。

注)マイボイスコムを通じ7月上旬、インターネットで調査。大学1~4年生の女性各250人ずつ1000人が回答。仕事と家庭の理想のバランスのみ単数、他は複数回答

安部日向子さん(東京女子大、以下同)は「将来のパートナーの収入が何らかの理由で止まった時、共倒れになってはいけない。自分も大黒柱として稼ぎたい」と語った。

学生の考え方がコロナを機に大きく変化している。対応できない企業は欲しい人材を獲得できない可能性がある。

鈴木らにさんは就活中、コロナの拡大に伴う企業の就活生への対応を見ていたという。従業員への対応に直結すると思ったからだ。「面接の時期をコロナの状況が落ち着くまで遅らせるかどうかを学生に選ばせてくれたり、連絡に『一緒にコロナを乗り越えましょう』など添えてあったりした企業は、従業員を大切にする感じで印象がよかった」

逆に「対面面接を強行する企業や、コロナの影響で急にスケジュールを変えたのに、きちんと連絡をしてくれない企業は、大きくてしっかりしていそうな企業でも印象が悪くなった」。 来春の採用活動は続いている。企業は学生が何を考え、見ているかを意識し、柔軟かつ適切な対応が必要になっている。

将来、深く考える機会に

東京女子大はオンラインで学生の就職相談に乗っている

学生は将来のことをより深く考え、働き方を選ぶようになっている。コロナのような災厄の発生時に素早く対応できるのはどの企業か、経済危機でも業績が安定しているのはどの業界かなど自らの前にある選択肢をこれまで以上に多様な視点で分析している。東京女子大学が今年から始めたオンライン就職相談では対面で実施していた例年の2倍の相談が寄せられたという。

コロナは厄介だが、自分の働き方について深く考えるのは悪いことではない。就活を終えた学生への取材では、企業に対して自分が本当に求めているものに気付いたとの声も多かった。これにより企業とのミスマッチを減らせるなど、前向きに捉えることもできそうだ。

(三隅勇気)

[日本経済新聞朝刊2020年7月27日付]

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