実際に対面したときでも、相手の反応が薄いと話しづらくなり、逆に「うんうん」とうなずきながら聞いてくれたり、「へえー」などとあいづちを打ってくれたりすると、だんだん乗ってきて話しやすくなるものです。私達人間は相手や周囲の人の反応を五感で敏感にとらえ、無意識に自分の行動に反映させているため、相手の反応によって話ぶりも変わるのです。あいずちやうなづきだけではなく、表情でのリアクション、身体や手の動かし方など、話す人に「興味深く聞いている」「楽しんでいる」とわかる表現力を磨きたいものです。

テレカンでは視界が限定され、それ以外の感覚は聴覚以外使えないことから、ややオーバー気味のアクションが必要とされる、と前のほうで言いましたが、特に相手の言葉に対する反応は気をつけなければならないところです。相手の話に明るい笑顔でうなずいたり、「へえ、すごい」「おもしろいね」とあいづちを打ってあげて下さい。これは仕事のテレカンでもかなり大切なことですよ。

私の個人的な体験では、「〇〇さんはどうですか?」と相手に話を向ける時に手のひらで相手を指し示すようなアクションをしたところ、それだけでも相手から「あのような動作をしてくれてとても話しやすかったです」と後から感謝されたことがありました。よかったらお試しください。

「失礼な人」と思われないための用心

オンライン飲み会やオンラインデートは思った以上に増えているようで、楽しみ方も色々な工夫が出ているそうですね。基本は「無礼講」なので、あまりマナーやルールに目くじらをたてなくてもよさそうです。しかし、「ムッとした」という体験もまたよく聞きますので、用心のために女性から聞いた例をお伝えしておきます。

「会ってから、コンピューターの角度の調整し始める人ってちょっといやですね」

テレワークが急に始まった当初は、誰もが慣れなくて、思ったように自分の顔が映らなくて四苦八苦…という場面をときどき見ましたが、さすがに慣れた人が多くなると、「こんにちは」と言ってすぐにスタートできることがほとんどです。

しかしいまだに、「あ、ちょっと待ってくださいね。これでいいかな。いや、こうかな?」とごそごそする人もいるそうです。そうすると、さきほどの「初頭効果」もあって、「段取り悪そう」ともうそこで白けてしまったりするそうですので、最初にコンピューターでの見え方はきちんと調整しておきましょう。

「複数いる飲み会ならまだしも、1対1で話しているときに急に向こうの注意がそれると、『ええ?』と思ってしまいますね」

何か音がしたなど、気になることがあったら顔や身体が反応してしまうことはありますね。しかし、話している最中に急に置き去りにされると相手はやはりとまどいます。こんな時には、先に「ごめん、ちょっと中断していい?」と前置きするか、後から「ごめん、〇〇だったので」と謝ってから「〇〇の話だったよね」と話しのペースを戻すようにすれば、それほど問題ではありません。言葉できちんと謝罪や理由の表現ができれば、失礼な印象を感じたとしても、あまり残らないものなのです。

ただ、話しているときの視線は相手にとってはコミュニケーションの手がかりです。相手からどんな風に見えているかを意識しておくことをおすすめします。例えば相手とアイコンタクトをしているときに眼が横に動くと、相手は「違うことを考えている」という印象を受けます。商談などのときにも気をつけた方がいい眼の動きです。

最後に、服装はやはり誰もがよく見ているところです。「オンラインで自宅だからといって、だらしない格好をしている人がイヤです」という声が多いので、節度ある格好は必要です。

オンラインでの服装や身だしなみ

完全にプライベートモードなら、少しくだけた服装のほうがよさそうです。女性からは「堅すぎず、柔らかすぎず」という意見をよく聞きます。スーツやジャケットは少し堅苦しい、でもよれよれのフーディーやトレーナー、Tシャツは見たくない、ということですね。

リラックス感がありながら、一応節度が感じられる格好というと、こざっぱりしたシャツやポロシャツなどをイメージする人が多いです。私のクライアントで、ご自身でイメージコンサルタントをされている方と意見が合うのは「長袖シャツの腕まくりや、袖幅が細めの5分袖くらいのポロシャツは、知的な感じがしてかっこよく感じる」ということ。短い袖よりも、長めの袖のほうがどこかストイックに見えて「できる男」風なのは確かです。

ビジネスシーンではダーク系か渋めの色を推奨しますが、オンラインでのプライベートモードでは、黒やダークカラーは印象を必要以上に暗く見せる場合があります。特にオンラインデートのような場面では、優しく見えるペールピンクやペールオレンジが映えるでしょう。もちろん、白もすてきです。

気をつけたいのは柄です。細かいストライプやチェック、その他の小さな柄はコンピューターの画面で「ハレ―ション」といわれる乱反射のような現象が起き、相手の眼をチカチカと刺激して、よくない印象を与えるもとになります。ビジネスでもプライベートでもテレビ会議ではそのような柄は避ける、と覚えておいてください。

ところで男性が意外と気にされるのは「肌のテカリ」です。あなたはいかがでしょうか。確かに、オンラインでライティングなどをしていると、テカリが強くなるきらいがあります。男性の肌は皮脂が出やすいのか、ふだんのビジネスシーンでも気にされる方は多いので、そんなときは男性用のフェイスパウダーの使用をおすすめしています。さらさらとした質感で、ふんわりと肌の光沢を包んでくれるようなものです。同じく、視界が限定されるテレカンでは口元にも目がいきます。カサカサな唇では魅力が半減しますので、リップクリームなどで簡単なケアをしてください。

出会いやデートだけでなく家族との対面も?

外出制限中には結婚式の延期を余儀なくされた方が多くいらっしゃいましたが、私の知り合いの男性もその一人で、「結婚式どころか、家族の顔合わせもできていない」と嘆いていました。結局、お互いの両親を交えてテレカンでの顔合わせとなったということを後日に聞いて、思わず感心してしまいました。

急に家族が参加するような場合も想定しておきたい(写真はイメージ)=PIXTA

移動や帰省については、今なおためらいがあり、今後オンラインで相手の両親にごあいさつ、という場面は決して珍しいことではなくなりそうです。あいさつや顔合わせまでいかなくても、家族と一緒にお住いの方は、オンラインデートに急に家族が参加、という場面もあるかもしれません。

そんな状況でもあわてず騒がず、家族の好感を勝ち得るようにしたいものですね。まずは日ごろから背筋を伸ばした上半身が入るようにコンピューターをセッティングしておきましょう。

そして次のことを意識するのを忘れないでください。

●カメラ目線にして相手とのアイコンタクトをしっかり
●口角を意識して上げて、頼りがいある笑顔を演出
●声は低めにゆっくりとあいさつ
●語尾をしっかりと発音する

まずは、しっかりとした印象で初頭効果をプラスにしましょう。

いかがでしょうか? できる男は、ちょっとした印象や振る舞いで人に安心感を与え、信頼感を抱かせます。ニューノーマルでますます重要視される清潔感や思いやりある態度を、持ち前の表現力や演出力で相手にきちんと伝えてください。オフラインでもオンラインでも、ビジネスでもプライベートでも、あなたの成功をお祈りしています。

丸山ゆ利絵
 ホテル西洋銀座やアークヒルズクラブなどを経て2010年、経営者などに「ふさわしい存在感」の演出方法を助言するコンサルティング会社、アテインメンツ(大阪市)を設立、代表に就任。15年、ビジネスマンに正しいスーツの着方を指南する「スーツ塾」を開講。 著書に「『一流の存在感』がある人の振る舞いのルール」(日本実業出版社)など。

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