それはやっちゃダメ! 水虫対策、悪循環の断ち切り方

日経Gooday

答えと解説

正解(水虫について間違っている記述)は、(3)水虫予防には、軽石など硬いもので足の裏をゴシゴシ洗うのがよい です。

水虫の原因となる白癬菌は、足の裏に付着しても、感染するまでに半日以上かかるため、それまでに洗い流せばいい、とされています。

「白癬菌ははがれた他人の角質の中にいて角質として付着するので、消毒薬を使わなくても洗うだけで簡単に落とせます。温泉やプールなど不特定多数の人がはだしになる場所に行ったときは、帰宅後必ず足を洗うことを心がけてください」と話すのは、埼玉医科大学皮膚科教授の常深祐一郎さん。

常深さんによると、洗うといっても、軽石やナイロンタオルなど硬いもので足の裏をゴシゴシとこするのはNG。角質層に傷がつくと、より白癬菌が入り込みやすくなってしまうからです。

水虫はどんな風に感染する?

白癬菌はなぜ角質層を好むのでしょうか。実は白癬菌は、皮膚の角質層の中でケラチンというたんぱく質をエサにして繁殖します。角質層は外からの刺激や乾燥を防ぐ大切なバリアーですが、細胞自体は死んでいて血管もないため白癬菌が潜んでいても体の免疫システムに感知されにくいという特徴があります。中でも足の裏は角質層が厚いうえ、湿度もあるので白癬菌にとっては絶好のすみかになっているわけです。

水虫の人がバスマットなどを踏むと、はがれた角質とともに、そこにすみついている白癬菌もばらまかれます。それを他の人が踏むと足の裏に白癬菌が付着。そのまま半日ほど放っておくと白癬菌が角質層に侵入し、その人にも水虫がうつってしまいます。

爪もケラチンの固まりですが、皮膚と違って硬いため白癬菌が入り込むのは容易ではありません。そのため、ほとんどの爪水虫は足の水虫から始まります。足の水虫を放置しておくと、やがて足の裏で増えた白癬菌が爪の先端や横から爪の下に侵入して爪水虫を発症することになります。

爪水虫は一度かかると自然に治ることはない

爪水虫(写真提供=常深さん)

「爪水虫は一度かかると自然に治ることはないし、市販されている水虫の塗り薬では治せません。治療を受けて多少よくなっても、実は白癬菌が奥のほうに残っていることも多く、そうなると当然再発しやすくなります。だから、自己判断で治療を途中でやめるのは禁物。完治したはずの爪水虫が再発した、あるいは、毎年のように足の水虫になるという人は、爪に白癬菌が残っていることが多いですし、爪水虫があること自体に気づいていない人も少なくありません」(常深さん)

足や爪に水虫があると、それが感染源となり白癬菌が背中やお尻などに皮疹などの症状を引き起こす「たむし」にもなりやすい。写真はお尻や背中にできた「たむし」(写真提供=常深さん)

前述したように、爪水虫は足の水虫から始まることが大半です。足の水虫が慢性化した結果、爪の中にまで白癬菌が入り込むのです。つまり、爪水虫の最大の予防法は「足の水虫にならないこと」。そのためにも、温泉など多くの人がはだしになる場所に行ったときは、帰宅後足を洗うことを習慣づけましょう。

そして、いざ水虫や爪水虫になってしまったら、足から爪への感染や、足や爪から体のほかの部位への感染、家族への感染などを防ぐため、皮膚科を受診し、完全治癒を目指しましょう。

[日経Gooday2020年6月29日付記事を再構成]

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