アコードの挑戦 ヒットが難しい「大型セダン」の狙い

自信作だからこそ、日本のお客様にも楽しんでもらいたい

中国では購入者の平均年齢は30歳以下と、若者層に受けている

試乗後に開発トップの宮原哲也エンジニアに話を聞くと、彼らのアコードにかける思いが伝わってきた。

「今回のアコードは我々からするとかなりの自信作。米国や中国だけでなく、世界中のどこに出しても喜んでいただけるモノだと思っています。日本のお客様にこのクルマの良さを楽しんでいただけないのは切ないので、何が何でも出したかったというのが本当のところ。それにミニバンのホンダ、軽のホンダだけではないという部分もお見せしたかったですし……」

実際、新型アコードは世界の大市場、北米と中国で売れている。19年には北米で約26万台、中国で21万台以上も販売した。特に中国ではセグメントトップで、なんと購入者の平均年齢は30歳を切るという。ある意味、奇跡的な人気の高さなのだ。そんなアコードの国内発売は「売れる、売れないの問題じゃない。このクルマに乗ってみてほしい!」という、作り手の純粋な願望から生まれた戦略なのではないだろうか。

アコードといえば、かつて「ホンダらしさ」の象徴でもあった一台だ。今でもそんなアコードを愛し、長く乗り続けているお客様もいるという。だからこそ、上出来な10代目で「あの素晴らしいホンダよ、もう一度」と考えているのかもしれない。

10代目アコードは、乗ってみると走りも快適性も、実用性も高いレベルで実現している
小沢コージ
自動車からスクーターから時計まで斬るバラエティー自動車ジャーナリスト。連載は「ベストカー」「時計Begin」「MonoMax」「夕刊フジ」「週刊プレイボーイ」など。主な著書に「クルマ界のすごい12人」(新潮新書)「車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本」(宝島社)。愛車はロールス・ロイス・コーニッシュクーペ、シティ・カブリオレなど。

(編集協力 出雲井亨)

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