人材可視化:いてほしい人・いらない人がより明らかになる

生産性で評価をするということになると、だれが業績に貢献しているかもしっかりわかるようになります。つまり、会社にとって重要な人材がはっきりと可視化されるとともに、いなくても困らない人材も可視化されやすくなります。

それでなくとも多くの企業で業績先行きが見えづらい現状です。

終身雇用を標榜していた大企業でも、生産性の低さがはっきり見えてしまった人に対して、それでも会社にいていいですよ、といいづらくなります。もちろんだからといってすぐにリストラが進むわけではありません。けれども新しい環境への習熟は必ず求められます。

新しいテクノロジー、新しい働き方、新しいコミュニケーションスタイル。それらを前提としたチームワークやリーダーシップの発揮が求められるのです。それが次に示す成長の促進です。

成長の促進:学びなおしと経験による成長が加速する

変化にあわせて学びなおすことができているか。

学習の結果として、きっちりと行動できているか。

それも「自分としてはやっているつもり」ではなく、周囲の人から見て「あの人は成長した」「変化した」と見られているかが重要になります。つまり、学習している事実ではなく、結果として行動し、成果につなげることが求められるようになります。

ではどうすれば学習結果を成果につなげられるのでしょう。

皆さんの周りにも、資格取得に熱心だけれど、仕事の成果につなげられていない人がいるのではないでしょうか。

学習と成果とをつなぐもの。それはまさに実務で使う行動であり、経験することです。何か新しいことに取り組む際に、人はまず学習し、それから経験しようとします。

けれどもこの順序を変えてみると、成長が促進されることが多いのです。まず行動する場を獲得し、学習しながら経験を積む。そのような順序をぜひ意識してみてください。

経験こそが逓増型の成長を生み出す

このような変化を踏まえながら、私たちはさらに、人材の選別が進む可能性を意識しておかなくてはいけません。

なぜなら学びなおしと行動による経験の獲得は、逓増型の成長を生みやすいからです。逓増型、というとわかりにくいかもしれません。利息でいうと複利型のようなイメージですが、できると思われている人がさらに成長するチャンスを得る構造が生まれやすいということです。