アウディA6アバント40 TDI 大人っぽい静かな乗り心地

2020/7/26
2リッターディーゼルモデルのアウディA6アバント40 TDIクワトロ スポーツを試乗し、乗り味を確かめた(写真:荒川正幸、以下同)
2リッターディーゼルモデルのアウディA6アバント40 TDIクワトロ スポーツを試乗し、乗り味を確かめた(写真:荒川正幸、以下同)
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“ドイツ御三家”がしのぎを削る欧州Eセグメント。そこで奮闘する「アウディA6」に、本命ともいえる2リッターディーゼルモデル「40 TDIクワトロ」が追加された。新たなパワートレインを得たA6の走りを、幅広いシチュエーションでチェックした。

日本ではエントリーグレード

V6搭載モデル「55 TFSI」に試乗したとき、「A6、極まったな!」という印象を持った。アウディらしい徹底した無機質さと、隙のない操作系の正確さをもって、これをプレミアムライドの域にまで高めた55 TFSI。気やすくエモーショナル性を訴えず、あくまで技術の洗練によって上質さを表現した乗り味には、ジャーマンスリーの中でもひとつ抜けた“オヤジ殺し”を感じたのだった。

そして今回は、そんなA6のエントリーモデルとなる「40 TDI」(204PS/400N・m)に試乗できるという。クリーンディーゼルを搭載しながらも、価格設定としてはガソリンモデル「45 TFSI」よりさらに身近な一台となるその実力は、一体どんなものなのだろう。

試乗したグレードは40 TDIの中でもスポーツサスペンションを装備した「スポーツ」で、その価格は828万円。さらに試乗車は、オプション価格の151万円を加算すると979万円となる高級車だった。

ちなみに“素”の「A6 40 TDIクワトロ」(セダン)は745万円と、「BMW 523i」(666万円)よりは明確に高いが、「メルセデス・ベンツE200アバンギャルド」(734万円)との差はさほど大きくない。さらに本国では、同じ直列4気筒でも真のエントリーモデルとなる「35 TDI」(163PS/370N・m)が用意され、また上位機種には3リッターV6ターボ(286PS/620N・m)の「50 TDI」が収まる。つまり40 TDIは、本国だと“ディーゼルの真ん中のグレード”となるわけだ。また日本仕様の駆動方式は、いまのところ4WDのみとなっている。

タッチパネル式のコントローラーを大胆に取り入れたインストゥルメントパネルまわり。「スポーツ」グレードのシートや各トリムの表皮はバルコナレザーで、全5種類の色が用意されている
日本ではエントリーモデルとなる「40 TDI」だが、ドイツ本国では中間グレードというポジション。また現状では、日本仕様は4WDのみの設定となっている

まずは静かさに驚かされる

注目の2リッター4気筒ディーゼルターボは、12Vマイルドハイブリッドシステムが付く「EA288 evo」。コールドスタートでブルン! と目覚めるエンジンはアイドリングもディーゼル感丸出しのにぎやかさだったが、パワーウィンドウが閉まると同時にシュタッ! と車内が外界から切り離されたのには、高級車としての威厳が感じられた。

走りだしてからも、この静寂感は続く。意地悪く耳を澄ませば特有のノック音は聞こえるものの、そんなことを無理やり詮索しても疲れるだけ。シートと足まわりが織りなす快適な乗り心地に身を委ねてしまえば、こうした低周波ノイズはロードノイズよりも低く、それ以降は気にならなくなった。

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